映画『マレフィセント2』から考える、“多様な家族のカタチ”_img0
写真:Everett Collection/アフロ

ディズニー映画『マレフィセント2』がシンガポールでも先週公開され、早速子どもたちと観に行ってきました。『2』についてはネタバレにもなるので具体的な感想は控えますが、どちらかというと、まだの方はこれを機に第一作をぜひ見ていただきたいです。

 

『マレフィセント』は『眠れる森の美女』の悪役側を主人公にした物語なのですが、妖精やお姫様が相当出てくるわりに、かなり大人の女性をターゲットにしているのではないかと思われます。

悪役にも「悪」になる背景があったということ、真実の愛は果たして存在するのかという問い。酸いも甘いも経験し、頭の中はお花畑ではいられない、でも信じているものや守りたいものはあるという30~40代の大人の女性を、きっと勇気づけてくれることでしょう。

ところで、マレフィセントが語られるときには必ず、産みの親ではない彼女がオーロラを育てる点について、主演女優のアンジェリーナ・ジョリーが養子を育てている姿と重ねられることが多いです。

実際、シンデレラがいじめられたり、ヘンゼルとグレーテルは森に置き去りにされたりと、昔話には継母がいじわるなイメージとして出てくることが多いので、それをくつがえす点が現代風であり、また物語の肝にもなっています。

私は最近、シンガポールの小学生の子どもがいる女性たちにインタビュー調査をしているのですが、これには「スノーボールサンプリング」といわれる、インタビューした人に次のインタビュー対象者を紹介してもらう手法を使っています。

そうやって20人に聞いたうち、ステップマザーであるケースが2人いました。「3人子どもがいます。一番上は、夫と夫の前妻の子どもで、下2人は私が産みました」という具合に。ちなみに20人中4人は夫が外国人でした。

 
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