清純さと思わせぶりを駆使し、狙った男をその気にさせて、告白させたらポイーー12月6日に公開になる映画『“隠れビッチ”やってました。』は、ただ男にチヤホヤされる喜びだけが生きがいだった20代女性、ひろみの”しくじり人生”を描いた作品。今回は主人公ひろみを演じた佐久間由衣さんと、彼女の人生を変える年上男・三沢を演じた森山未來さんの対談をお届けします。
あるきっかけから「隠れビッチ」をやめたひろみと、素のままの彼女をどこまでも受け入れる三沢。平和なハッピーエンドを迎えるかに思えたその恋が、実はひろみの心の奥底に眠る傷をあぶりだしてゆくのです……。
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誰だってひとつの顔だけでは生ききれない
NHK朝の連続ドラマ小説『ひよっこ』で演じた、女優を目指す地元一番の美人・時子役が記憶に新しい佐久間さん。その美しさ可愛さそのままに演じた主人公・ひろみは、「男をメロメロにするテクニック」を駆使する、その名も「隠れビッチ」です。
佐久間由衣さん(以下、佐久間) 最初にタイトルを見たときは「ビッチ」ってワードがあまりに強烈で、ちょっとドキドキしたんですよね。
森山未來さん(以下、森山) 3年間で600人もの男を手玉に取るという。ひろみは最初から振るつもりで告白させるところまでもっていくんだけど、そのやり方が絶妙なんだよね、相手にそうとは気づかせない。
佐久間 相手をすっごい研究して計算して、そのうえでの作戦通りにやってますよね。
森山 方程式があるって事だよね、こんなに成功してんだもんね。
佐久間 言い方はよくないかもしれませんが、大半の男性は騙されちゃうかもしれないですね。でも森山さんは、仕事を通じて人間観察もよくしていらっしゃるだろうし、ああいう女性の振る舞いでも、近くにいたら気づくと思いますよ。
森山 いや、ぜんぜん。実際に由衣ちゃんみたいにまっすぐに見える人が「隠れビッチ」だったら、気付ける気がしない(笑)。まあでも「隠れビッチ」だと知っても、それで嫌いになったりはしないかな。そういうアプローチの人なんだな、って思うだけで。
佐久間 でもひろみみたいな女の子、結構多いとは思いますよ。私もさすがに「誰にでも好かれたい」とは思いませんが、自分の好きな相手によく思われたくて、本来の自分とは違う顔を見せてしまう部分はあると思います。
森山 社会がこれだけ複雑だと、誰だってひとつの顔だけでは生ききれない。仕事をしている自分と、家族や恋人に対している自分は、話し方や表情、態度も違うだろうし。それって社会の中で生きていくための必要な技術でもあるよね。
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