Netflixのイギリス王室を描いたドラマ『ザ・クラウン』にハマっている私。すでにシーズン6まで放送が決まっているこの人気シリーズは、現在シーズン3までが配信中。私はシーズン2の途中まで鑑賞したところです。
個人的に、このドラマの見どころはふたつあると思います。
ひとつは、王室の「ASAYAN」感(たとえが古くてアラフィフ世代にしかわからないかも!?)。
ドラマは、エリザベス王女がエディンバラ公爵であるフィリップ・マウントバッテンと結婚し、父親である国王が亡くなったことで、若くしてイギリス女王となるところからスタートします。
現在は貫禄たっぷりのエリザベス女王が、まだ右も左も分からない新米女王時代、王室と政界のじいさまたちによる古い慣習や男のプライド、わけのわからない忖度などを押し付けられ、女王の立場と家族への愛情との板挟みに苦悩しながら、一国の長として成長を遂げていく姿には、その昔、モー娘。を輩出したオーディション番組「ASAYAN」で、出演者たちが成長していく様をハラハラしながら見守ったときのような感覚にさせられます。
女王という神に選ばれし立場のエリザベス女王も、ときにはひとりの女性として、そしてときには中間管理職のサラリーマンのように(恐らくはそれ以上に)思い通りに行かないことや、苦渋の決断を下さなければならないことがあるのね〜と、イギリス王室にぐっと親しみが湧き、あら不思議。キャサリン妃やメーガン妃のゴシップも今まで以上に楽しめるようになるという、意外な副作用(?)も。
そしてもうひとつが、若い夫婦の成長記録としての側面。
幼馴染であったふたりは、エリザベス女王21歳、フィリップ殿下が26歳のときに結婚。背が高く美男子だったフィリップ殿下に、エリザベス女王は夢中だったと言われています。
ふたりが結婚してすぐにエリザベス王女が女王になり、そのためにフィリップ王配は自分の好きな仕事も、先祖代々からの苗字も手放すことに。さらにいつでも妻の女王を立て、自分は2番目という立場に甘んじることを強いられるようになります。プライドが高い男性にとって、これ以上の屈辱があるでしょうか。
新婚時代はとても仲の良かったふたりが、エリザベス女王の女王という立場のために徐々に夫婦仲がすれ違っていく様を見るのは、心が痛みます。
一時期は冷え切った関係になったこともあるふたり。だけど英国国教会の最高権威者でもある女王に、神の前で誓った愛を裏切る離婚など許されるはずもなく、ふたりは夫婦を続けていくしかない。そうしているうちに、どちらかが歩み寄ったりして、また仲良くなったり、でもまた浮気されたり。―そうやってふたりは夫婦の絆を深めていくのですが、ふたりが様々な問題を抱えてもなお、夫婦として寄り添い生涯をともにして行く姿に、夫婦や家族、そして結婚とは何かということを、しみじみ深く考えさせられる場面が多々。
ちなみにハンサムで奔放なフィリップ王配はかなりモテたらしく、長男のチャールズ皇太子が生まれる前から浮気しまくりだったという噂も……。やっぱりイケメンとの結婚には覚悟がいるのね、などということも思ってしまいました(笑)。
それにしても、いくら“創作”とはいえ、ご存命のロイヤルファミリーのスキャンダルをドラマで描いてしまうなんて、日本だったら考えられないですよね。
そんな中での、エリザベス女王とフィリップ王配、結婚72周年(!)のニュース。現在『ザ・クラウン』を視聴中なゆえ、まるで親戚の結婚記念日のような嬉しさを感じてしまいました。エリザベス女王93歳、フィリップ王配98歳、ふたりとも衰えを見せない驚異の若さ。しかも女王は未だに王冠を息子のチャールズ皇太子に譲らず現役だというのも驚き。
そんなわけで、イギリスのロイヤルファミリーをより身近に感じることができるドラマ『ザ・クラウン』、本当に面白いです。おすすめなので、このドラマについてはまた別の機会にしつこく書かせていただくかもしれません。
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