佐藤駿選手、涙の全日本ジュニアから、世界最高得点での金メダル!
そして、もうひとりは、ジュニアグランプリファイナルの男子シングルで、金メダルを獲得した佐藤駿選手。羽生結弦選手と同じ、宮城県仙台市出身の15歳。
4回転ジャンパーとして注目されながらも、今季は東日本で3位に沈み、その雪辱を誓って臨んだ全日本ジュニア選手権大会でも、フリープログラムで4回転ルッツに失敗。1本目のトリプルアクセルジャンプにも乱れが出て、鍵山優真選手に大差をつけられての銀メダルに終わってしまう。キスクラで、目を真っ赤にして泣きはらしていた姿が記憶に新しいが、その雪辱をジュニアグランプリファイナルという大舞台で見事、果たした。きっと、悔しさを糧に猛練習を積んだはずで、なんと4回転ルッツを含む、すべてのジャンプを成功させて、ジュニア歴代最高点を獲得。
強豪ロシア勢やライバルの鍵山選手を抑えての、3位から逆転優勝だった。一方、今季、安定した強さを見せていた鍵山選手は表彰台を惜しくも逃して4位。今度は、鍵山選手がこの雪辱を果たすべく、さらなる練習を積むことだろう。もちろん、地元イタリアでぜひとも表彰台に上がりたかったであろうダニエル・グラスル選手も。
大会でなかなか結果が出なくても、ジュニア時代に華々しい成績が残せなくても、シニアデビューが遅くても、その悔しい思いを糧にして、腐らず、自分のスケートを磨いていけば、覚醒する時が来るんだなぁ、と。キスクラでの涙を喜びに変えた2人、特にエイモズ選手の銅メダルを観て、しみじみ思ったグランプリファイナルでした。
文/齋藤優子
構成/藤本容子
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