昨今、国内外で再び盛り上がっている「フェミニズム」。なかなか扱いづらいテーマであります。
色んな捉え方があると思うのですが、今回は一体フェミニズムとはなんなのか、ということについて、セレブのニュースを通じて考えてみたいと思います。
まずは、ビヨンセの「ELLE」のインタビュー。
歌手として、実業家として年収約88億円を稼ぎつつ、妻であり3児の母でもある彼女が最もストレスを感じるのは、「仕事とプライベートのバランスを取ること」だそう。
ビヨンセと夫のJay-Z。ふたりで稼ぎまくるパワーカップルですが、Jay-Zはビヨンセが双子を出産する前に浮気がバレてましたよね……。今や完全に尻に敷かれている感じなのでしょうか。 写真:Shutterstock/アフロ
「子どもたちのそばにいて、ブルーアイビーを学校に送り届け、ルミとサーを習い事に連れて行き、夫とのデートの時間を捻出し、家族と一家団欒のディナータイムを過ごす。会社を経営する傍らでね。すべての役割をこなすのはすごくストレスフルなことよ、だけどそれが、すべてのワーキング・ママの人生なの」
想像しただけでも目が回りそうな忙しさですが、世のお母さんたちはみんな、このようなマルチタスキングを当然のことのようにこなしているのですよね……。
また、「私たちの多くは、両親がスーパーヒーローのように振る舞うのを見て育つわ。 女性たちは自分の健康を無視して、『タフでいなきゃ』と、自分の身体のことよりもまわりにいる人たちの面倒を見ているの」とコメント。
過去に数回にわたる流産を経験したビヨンセは、その経験から、「誰かの母親になる前には自分の身体をまず大事にしないといけない」ということを学んだとか。
そしてそんな最中にも、マスコミや世間から「妊娠しているのではないか」と言われたことに対して「私の子宮を放っておいて!」と一蹴。ほんとですよね。
このビヨンセのインタビューから思うのは、女性はまだまだ、社会からステレオタイプ的な「理想の妻」「理想の母親」像を求められていて、ビヨンセ本人もその呪縛から抜け出せてはいないのだなあということ。
かたや、シャーリーズ・セロンは今年度のゴールデン・グローブ賞の監督賞に女性監督がひとりもノミネートされていないことについて批判するコメントを発表していました。その中で彼女は「そうすることが適切だからという理由でノミネートしてほしいと願う女性監督はひとりもいない」と断りを入れつつも、現在ハリウッド全体に10%程度しかいない女性監督たちが健闘し良い作品がたくさん生まれた今年度に、誰1人ノミネートされないのはまだまだ業界内に男女格差があるからだと語っています。
美形のシャーリーズ。日本でいうと中谷美紀さんのようなイメージ? 美しすぎて近寄りがたい雰囲気があります。ちなみに彼女自身は今回のゴールデン・グローブ賞で主演女優賞にノミネートされています。 写真:Jordan Strauss/Invision/AP/アフロ
かと思えば、Apple TV+でスタートした新ドラマ「The Morning Show」で共演するジェニファー・アニストンとリース・ウィザースプーンは、出演料が1話で2億2千万円越え(!)という快挙を達成したことが報じられています。
「フレンズ」好きなら、このふたりが劇中でブロンドの姉妹役を演じていたことを覚えているはず。あのふたりの姿がドラマでまた観られるなんて、胸熱です♡ 写真:AP/アフロ
ジェニファーは人気ドラマ「フレンズ」の出演料が1話あたり約1億2千万円だったことで知られているけど、それを遥かに上回る昇給!
ちなみにこのドラマは1シーズン10話完結で、すでにシーズン2まで配信が決定しているそう。ということは、このドラマの出演料だけでふたりは約44億円を稼ぐという計算に。ひえ〜〜〜〜〜〜!!!
どうやらこの出演料はアメリカのショウビズ界でも破格の待遇なようで、ふたりの大スターぶりがわかりますね。
けれどこんな話はほんのひと握りで、私が今ハマっているNetflixのドラマ「ザ・クラウン」でも、去年4月に、主役のはずのエリザベス女王を演じるクレア・フォイに支払われていたギャラが、夫のフィリップ王配役のマット・スミスよりも遥かに安い金額だったというニュースが報じられていたばかり。
これらのセレブのニュースを見て感じるのは、女性も「力」をつければもちろん男性と同じかそれ以上の待遇を受けることは可能だけれど、それには通常の男性よりも何十倍もの力を持たなければ、おそらくその声も存在も、まだまだ簡単にかき消されてしまう社会だということ。
そして同時に、女性同士の間ですらも、女性に対する固定概念に縛られる者とそこから離れて活動する者との間には対立や嫌悪が生まれがちで、それがますます女性の生きづらさを強めていると思うのです。
だって声高にフェミニズムを叫ぶ女性を見ると、それはそれで「もっとしなやかに女性らしいやり方で女性の権利を主張すればいいのに」って感じること、ないですか? 私は結構ありますもの。
「女性らしさ」とは一体なんなのか。
本来、人によって意味が違っていいはずのものが、勝手に思い込んだり押し付けられたりすることで、そこにはまらないと自己嫌悪に陥ったり攻撃されたり。
「ダイバーシティ」が広がる現在の流れの中だからこそ、女性らしさにも、もっともっと多様性と柔軟性が認められるようになるといいですよね。
2020年は、そんな社会になりますように!
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