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ミモレで過去に公開された記事のうち、特にこの時季に人気があったものをご紹介します。よろしければぜひご一読ください。

 文字を構成している点や線のことを点画(てんかく)といいます。漢字は「横画」「縦画」「折れ」「反り」「払い」などさまざまな点画から構成されていますが、この点画を長く書くか短く書くかは、字の形を整え、バランスをとるためにとても大切です。それぞれの点画の長さを意識するだけで、文字の印象はガラリと変わってしまいます。
落ち着いた大人の印象を与えてくれる、安定感のある字を書くための「横画、縦画出たがりルール」と「払い、反り、曲がりの出たがりルール」の2つを新刊『DVD付き 大人の美文字が書ける本』の著者・青山浩之さんに教えてもらいました。

 

複数ある横画、縦画の一本だけを
長く書く「横画、縦画出たがりルール」


 漢字の中には横画、縦画が複数本あるものがあります。たとえば、横画が複数ある漢字は「言」や「青」など、縦画が複数ある漢字は「出」や「世」などです。これらの漢字にかんするルールが「横画、縦画出たがりルール」です。
 複数ある横画のうち一画だけを長くする「一画強調」とも呼ばれるのが、「横画出たがりルール」。これだけで安定感のあるスマートの字に変わります。一方の「縦画出たがりルール」は、縦の中心にくる縦画を、ほかの縦画よりも長くすることでバランスをとるルールです。

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横画、縦画出たがりルール
 

払い、反り、曲がりは横画よりも長く
書く「払い、反り、曲がり出たがりルール」


「払い、反り、曲がり出たがりルール」もポイントとなる部分を強調して長く書くというルールです。横画と「払い」「反り」「曲がり」がある字の場合は、横画を少し短めにして、「払い」「反り」「曲がり」の終筆(点画の書き終わり)の部分を強調してみてください。

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「春」という字の場合、一番長い横画よりも、「右払い」と「左払い」を長くします。これが「払いの出たがりルール」です。

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「成」という字の場合は「反りの出たがりルール」で、横画よりも「反り」を長くします。

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「先」という字の場合は、一番長い横画よりも「曲がり」を長くする「曲がりの出たがりルール」です。

●動画で青山さんが「出たがりルール」を教えてくれます。

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青山 浩之(あおやま ひろゆき)

横浜国立大学教育学部教授。美文字研究家。書家。全国大学書写書道教育学会常任理事。1968年生まれ。書写・書道教育の指導論及び授業の研究、文部科学省検定教科書の手本執筆や編集、またテレビ番組の講師など多方面で活躍。『さらばクセ字! 初めての美文字レッスン』(NHK出版)、『女子力が上がる 美文字練習帳』(日経BP社)、『DVDですぐ上達! 10日で「美文字」が書ける本』(講談社)など著書多数。

みるみる字がきれいになる!
「講談社販売局・佐野部長が美文字チャレンジ体験記」
も合わせてご覧ください。

第1回「基本の法則編」はこちら>>
第2回「筆圧編」はこちら>>
第3回「ひらがな編」はこちら>>

 

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『DVD付き 大人の美文字が書ける本』
青山浩之・著 講談社 1000円(税別)

「大人の美文字」をテーマに、ペンの持ち方、リズムと筆圧、美文字ルールなどの著者のメソッドを余すところなく掲載。さらに美文字だけでなく美しい手紙や書面を書くうえでのレイアウトのポイントや、文例集、大人のマナーまで網羅した贅沢な一冊。著者自らわかりやすく解説する美文字レッスンが収録されたDVDは110分とたっぷりの映像で、楽しみながら、視て読んで必ず身に付く「大人の美文字」練習帳の決定版。

撮影/森京子(講談社) 構成/岡部奈央子(講談社)
この記事は2017年12月16日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。


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