12月11日、バッキンガムパレスでは、恒例となるレセプションが行われていました。
毎年12月、1年の終わりに開催されるこのパーティーは、エリザベス女王が主催者として、各国の大使達や使節たちを招待して行われるもので、その際のドレスコードは、ホワイト・タイ。いわゆる正礼装で、最もフォーマルな装いが求められます。
このような世界各国の人々が集まるパーティーでは、民族衣装が正礼装にあたります。
なので、私たち日本人女性の場合は着物! これが1番確実な装いということになります。ちょっと安心しますよね。
しかし、今や着物よりも洋服が主流となっただけに、いざフォーマルなシーンでの装いとなると、むしろ苦手意識と共に不安になりがちではないでしょうか。
一方のキャサリン妃も、洋服文化の英国で生まれ育ったとはいえ、なにせ一般家庭からロイヤルファミリーへの嫁入りです。
求められる“国を代表する装い”。加えて“自分らしいスタイル”を日々研究中されています。
そんなキャサリン妃から、本場英国のフォーマルなパーティー・ファッションを学んでいきましょう。
英国王室の最上級の正装といえば、いわゆるローブ・デコルテにティアラ、豪華なジュエリー、そして勲章の着用です。
本来は肘までの長さのグローブもマストでしたが、昨今では女王以外の若きロイヤルメンバーの皆様には省略される傾向にあり、リアル・スタイルを目指すキャサリン妃もしかり。
ではまず、ドレスから見ていきましょう。
写真/PA Images/アフロ
この日キャサリン妃が選ばれたのは、深いネイビーのベルベットのドレスでした。
胸元がVにカットされ、肩が張りのあるシャープなラインと、かなりモード色の強いドレスは、アレキサンダー・マックイーンのデザイン。ソフトコンシャスにボディに沿い、スカートは流れるようなフレアがエレガントです。
通常、ロイヤルの皆様は昼間の公務では肌の露出を控えたファッションが基本ですが、パーティーや晩餐会となれば話は別。肌を見せたり、華やかにすることが相手への礼儀となります。
といっても、あくまでも見せるのは肩や腕といった上半身が主で、決して脚ではありません。
今回が5回目の出席となったキャサリン妃ですが、実はダークカラーのドレスは初めて。しかも露出もネックのみと、これまでとの変化を実感。
ちなみに、昨年の装いがこちらです。
ドレス/ジェニー・パッカム 写真/代表撮影/ロイター/アフロ
アイスブルーに透け感のあるレーシーなドレスは、プリンセスらしさ全開の華やかさでした。
今年はぐっとシックに落ち着き感がありますね。そして貫禄も! ですが正直なところ、ドレス自体はとっても素敵だけれど、キャサリン妃には少し落ち着き過ぎでは? と思う気持ちも…。
なぜなら、露出を抑えれば抑えるほど、年齢が上がって見えるから。女王やカミラ夫人のように、年齢を重ねられた方々にとってはお似合いですが、まだ30代のキャサリン妃には、ダークカラーで露出ゼロのモードなデザインはまだ早かったように感じました。
そんなキャサリン妃がおそらく参考にされたかもしれない、この方の存在。。。
今年のドレスを見た途端、私の頭に浮かんだのが、ダイアナ元妃の黒のベルベットドレスでした。
写真/ZUMA Press/アフロ
1985年のダイアナ元妃。米ホワイトハウスを訪問された際、俳優ジョン・トラボルタとダンスという、当時話題となったシーンで着用されていたこのドレス。
こちらはオフショルダーのデザインですが、ダークカラーのベルベット、Vラインの胸のカットにマーメイドのシルエットなど、キャサリン妃のドレスと共通点が多いですね。
キャサリン妃のドレスは、よりスタイリッシュに進化したデザインだと言えますが、上半身の肌見せの有るなしでこんなに印象は大きく変わります。
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