マキさん流 社会貢献における4つのルール
今は「いいことしかしたくない」と笑って言うマキさん。人生も半ばに差しかかると、マキさんのように、誰かのために、あるいは社会のために何かしたい、と考えるようになる人も多いと思います。でもいざとなると尻込みしたり、やろうと思ってもどんなことをすればいいのか分からない……と二の足を踏んでいる人が大半ではないでしょうか。この8年、直接、間接を含め様々な形で社会貢献活動に関わってきたマキさんには4つのポリシーがあるようです。
① お金も時間も自分に余裕がない間はやらない
「社会貢献にはずっと以前から関心はありましたが、40代半ばまでは仕事も子育ても大変で余裕がなかったんです。だからボランティアも一切やっていませんでした。今ようやく精神的にも経済的にも余裕ができて、十分なエネルギーを注ぐことができますし、寄付額も年間2万ドルですが、今の私には無理なく払うことができます。でも仕事が忙しかったり、たとえ月に1000円でも『ちょっと痛いな』と感じるなら、やらないほうがいいと私は思っています。だってそれってハッピーじゃないと思うから」
② お金の動きが見えないところに寄付はしない
「『寄付はしたいけど、自分のお金がちゃんと使われるか不安』と感じている人ってきっと多いですよね。だから私は、自分が出したお金がハッキリとどう使われたか見えるところにしか出さない、と決めています。『メイク・ア・ウィッシュ』は、実際に子供たちを旅に連れて行っているから間違いがない。それでも始める前にオフィスを訪ねて確認しましたし、今も寄付金は私の手で直接届けているんです」
③ キャパオーバーはダメ!
「世の中には様々な社会貢献活動がありますから、つい、あれもこれもサポートしたい、となります。でも広げ過ぎてはダメ。自分がパンクしてしまいますから。私も様々な国に行くので、サポートしてあげたい人や現場に多く遭遇しますが、今は『メイク・ア・ウィッシュ』とアントンたちの支援と、キリンとゾウの里親、この3つだけと決めています。仲良しのタレント、ローラがストローの廃棄をなくすため『マイストローを持とう』という活動をしていて。
素晴らしいなと思うのですが、今の私には彼女の活動まで手伝う余裕はない。だからせめてもと、一人でも多くの人に知ってもらおうとインスタにその情報をアップだけしています。そうやって自分ができない分は、人と人をつなぐことで貢献できたら、と考えているんです」
④ 人に勧めない
「先にも言ったように、社会貢献活動は余裕ができて初めて始めるものだと思っているので、私は人に勧めることは絶対にしません。ただ、『今こんなことしているんだ』と話をするだけ。そうすると余裕のある人は、共感して『私も何かやりたい』と力を貸してくれることもあります。タレントの梨花ちゃんもその一人で、『メイク・ア・ウィッシュ』の活動に共感してくれ、一緒に寄付金を集めるためのトークショーをハワイで行ったんです。
そこで私がプロデュースしたブラウンスヌーピーのマグカップを売って、その売上金を全額寄付しました。近いうちに第2回も開催する予定。やっぱり社会貢献活動は“I want”じゃないと。“Make me”ではダメですね」
いくつかルールは設けているものの、マキさんの社会貢献活動の根底にあるものはただ一つ。それは「自分がハッピーであること」です。
「アフリカまで行かなくとも、身近な人でも助けてあげると気分がいいじゃないですか。私は、人が笑顔になるのが楽しくて仕事も社会貢献もしているところが大きいかもしれません。つまり、自分のためにやっているんです。人が笑顔になれば自分もハッピーになって、結果的に心と体の美しさにもつながる、最高じゃないですか?(笑) だから私の今のモットーは“一日一善”。人を裏切らないで生きていれば、年齢を重ねるほどハッピーで、いい顔になっていけると思いますよ!」
ヘア/黒澤貴郎(LAULEA表参道)
取材・文/山本奈緒子
構成/片岡千晶(編集部)
(この記事は2019年8月23日に掲載されたものです)
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