「もったいない」による食べ過ぎを防ぐ、今からできる簡単なルール_img0
 

飲み会で料理があまっていたり注文した料理が予想外のボリュームだったとき、夕飯を作り過ぎてしまったときなど、「食べ物を残すのは“もったいない”ので、残さず食べる」という方は多いのではないでしょうか。“もったいない食い”をすることによる「食べ過ぎ」状態が太る原因だということはわかっているけれど、長年の習慣はなかなかやめることができないですよね。
そこで肥満患者の減量指導(成功率は9割以上!)にあたっていた岡嵜順子先生の著書『なぜあなたは食べ過ぎてしまうのか』から、「食べ物を残すことに罪悪感がある」という方の事例と解決策を見てみましょう。

(この記事は2019年1月28日に掲載されたものです)

 

〈お悩み〉残すことに罪悪感がある。
「食べ物を残すな」と厳しくしつけられたので、全部食べきらないと気が済みません。(女性・46歳)

食べ物を大事にする“もったいない”の精神は日本人の美徳。子どもの頃から親に「食べ物を粗末にしてはいけません」「残さず食べなさい」と、しつけられたという人も多いのではないでしょうか。
こうした人のなかには、「残すと悪いなと感じる」「お皿をきれいにしないと」と気に病む方がいます。このタイプの方は、おなかがいっぱいになっても「食べ物を粗末にする扱うと罰があたる」と箸を置くことができず、食べ過ぎてしますのです。

このケースの食べ過ぎは、いくつか工夫をすれば防げます。

基本的に買い物を適量にすること。たくさん買うと「食べきらないと!」と食べ過ぎになります。
次にダイエット中は料理は大皿盛りにせず、個別に盛り付けること。食べる都度、箸を伸ばしていると、自分がどれくらい食べたのかわかりにくくなりますし、大皿に料理が残っている限り「もったいない」という気持ちが働き、食べ続けてしまいます。料理を皿に「少量ずつ盛る」(最初に少量を盛り付け、食べきったら少量おかわりする)という方法を試してみてください。たくさん作ったときは、おすそわけや保存も考えましょう。


【解決方法】
<自炊の場合>
・最初から材料を買う量、作る量を抑えましょう
・多めに作ったときは、すぐにその日食べる分とストックに分け、ストック分はすぐに保存袋などに入れて、冷蔵庫または冷凍庫へ
・最初に少量を盛り付け、食べきったらおかわり(こちらも少量)を
・たくさん作り過ぎたときは、ご近所におすそ分けするのもいいでしょう

<外食の場合>
・注文するときに「少な目にしてください」とお願いしましょう
・量が多いなと感じたら、「少し食べてもらえませんか」と同席者にお願いし、食べる前に取り分けましょう

<出来合いの惣菜を買ってくる場合>
「足りなくなったら困る」と多めに買うのは厳禁。「今日中に食べきれる分量はどれくらいか」をよく考えて買いましょう。

また“もったいない”という意識を強く持っている方は、食べ物以外でも、極力無駄をなくしたいと思っているはず。「食べ過ぎて太り、サイズが変わったせいで、服を買い替えるのはとても無駄!」と想像することも、いいストッパーになるかもしれませんね。

“食べ過ぎ”を改善するには、まず、食べ過ぎてしまう原因に気づくこと。そして自分にピッタリの解決方法を見つける。そして、行動をほんのちょっとだけ変える。それだけで、あなたの食べ過ぎは必ずやめられます。無理なく、楽しく、心地よく! 食べる喜びを味わいながら、太らない身体と習慣を作りましょう。


岡嵜 順子(おかざき じゅんこ)
臨床心理士、交流分析士。 大阪市北区の総合病院肥満専門外来にて、20年間、2万人以上の患者の指導にあたり、減量を成功に導く。著書に、『Q&A 生活習慣病の科学』(共著、京都大学学術出版会)などがある。

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『なぜあなたは食べ過ぎてしまうのか』
岡嵜 順子 著 1200円(税別) 講談社


肥満専門外来で、2万人の患者を痩せさせた臨床心理士が伝授する、誰でも必ず成功するダイエットのヒント。著者の豊富な実例を挙げながら、食べ過ぎてしまう理由とその解決法を紹介します。「もったいない」「誘いを断れない」「イライラすると食べてしまう」「デザートは別腹」……など、あなたにもあてはまる原因がきっとあるはず!

『なぜあなたは食べ過ぎてしまうのか』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
講談社くらしの本はこちら>>

(この記事は2019年1月28日に掲載されたものです)
構成/生活文化編集チーム

出典元:https://kurashinohon.jp/944.html

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