「『今、かおりはこういう時期よ!』『ほら、言ったとおりになったでしょ!』と、小さい頃から要所要所で“ばあば”は私に六星占術に基づいたアドバイスをくれていました。これも羨ましく感じる人はいると思いますが、私は嫌で嫌でたまらなかったんです。
たしかに『当たる』とか『すごい』と思うことはありました。でも、あまりに“ばあば”の存在が近すぎて、反発ばかりしていたのです。
『いくら当たるからと言って、その通りにしなくちゃいけないの?』『占いに従って考えないとダメなの?』と、未来がわかることで自由がなくなるような気持ちになり、占いとの付き合い方がわからなかったんだと思います」

しかし“アンチ占い派”だったかおりさんに変化をもたらしたのもまた、“占い”でした。

細木さんのもとにやってくる人たちの顔を見ていると、鑑定前はどんよりと暗い顔をしているのに、“ばあば”からのアドバイスをもらった途端、顔がいきいきとし、「ありがとうございました」「本当に助かりました」「家族仲良くやっていけそうです」と、感謝の言葉を述べて帰っていく。

そんな鑑定の現場を間近で体験したかおりさんは、“ばあば”の築いた六星占術を途絶えさせることに疑問が湧き、悩んだ末、35歳で細木数子さんと養子縁組。戸籍上も、また占術家としても“ばあば”の継承者となったのでした。

細木さんに懐いていた2歳のかおりさん。細木さんの溺愛っぷりは相当なものだったそう。
 

「“ばあば”は2019年の4月に81歳の誕生日を迎えたのですが、以前から、『80歳になったら表舞台から身を引いてのんびり静かに過ごしたい』と口にしていたんです。その言葉通り、今“ばあば”は引退している状態です。でも、よく考えたら80歳で引退するとなると……私が30歳のときに、後継者になって欲しいと伝えられたこと、35歳でアシスタントをし始めたこと、さかのぼって19歳で結婚したことなど、すべては“ばあば”が六星占術を使って運勢を割り出して、いい方向に進めてたんだなと今になってわかったんです。『やられた!(笑)』という気持ちもありますが、今が一番幸せです」

世間からは鉄の女のように見られていた細木さんですが、プライベートでは質素な格好を好み、テレビの放送後には「言い過ぎちゃったな……可哀相だったわね」と、落ち込むことも多かったといいます。
また、激しいバッシングに晒されることも多い“ばあば”の姿を見てきたかおりさんは、最近までテレビに出ることを躊躇していたそう。しかし細木さんはこんなアドバイスをくれたと話します。

「『人に何を言われても自分が正しいと思うことから絶対にブレてはいけない。細木数子になる必要なんてないんだよ。かおりはかおりのまま六星占術の基本にある教えを自分らしく伝えていけばいい』と言ってくれたんです。おかげで私もやっと腹をくくることができました。
最近は『細木数子、胃がんで闘病中』なんて噂も流れていましたが、はっきり言ってデマです!逆に“ばあば”から『あんた、私に病気のことを隠していたの!?」と言われて慌てていたぐらい(笑)。
そんな”ばあば”は今、私の家族と一緒に生活してます。テレビで夢中になってスポーツ観戦をしたり映画を観たり、自由気ままな生活を楽しんでいます。老人が一人でゆっくりしているんだから、そろそろ週刊誌やネットニュースは放っておいてほしいですよね(笑)」

次回は、細木かおりさんが「幸せになれない女」の特徴をビシバシと指摘します!お楽しみに。

 

『母・細木数子から受け継いだ幸福論 あなたが幸せになれない理由』
著者:細木かおり(税抜 1250円)


細木数子の姪として生まれ、後に実娘となり、六星占術の継承者となった細木かおりさん。“細木数子流”の仰天子育てエピソードを紹介する第一部、六星占術を活かしながら「幸せになれない」と嘆く女性に対し、厳しくも愛のあるムチを炸裂させる第二部と、“かおり先生節”が堪能できる一冊です。

 

構成/小泉なつみ

 

第2回「細木数子さんの継承者、かおりさんが明かす「幸せになれない女性」の法則」は1月8日公開予定です。