クリスマス直前の週末を迎えたパリは、年末年始の休暇も兼ねてのバカンスへ、民族大移動が始まった。今年は鉄道のストライキが長引いているから、車で出発する人が多いのか、交通渋滞が物凄い。

クリスマスも年末年始も仕事漬けの私は、そんなパリジャン達を横目に、普段通りの週末を過ごす。アパルトマンは水を打ったようにシーンとしていて、殆どの人達が不在の様だ。管理人さんがエントランスに飾ってくれたクリスマスツリーが、心なしか侘しく見える。
サパンさん、私が三階に居るからね、キミも独りぼっちじゃないよ。

幸いに、仕事があるから気分も紛れるけれど、クリスマス時期はやはり少し寂しくなる。フランスのクリスマスは伝統的なキリスト教のお祭りで、信者でもない私が入り込めない何かがあり、そして、それは家族のもので、何と言っても主役は子供達なのだ。

独り者の私は、こんな寂しさには慣れっこだけれど、街を歩けばどうしても、素晴らしく美しいイルミネーションのせいか、つい感傷的になってしまう。

こんな私の気持ちを察したのか、随分年上の友人が、パリ市庁舎で行われるソワレに誘ってくれて、二つ返事で行ってきた。せっかくのノエルだものね。楽しみましょうか。

メリーゴーランドをはじめとする全てのアトラクションが無料。パリ市って凄いな。(って、これも私達の納めた税金から成っているのですね。まぁ、こういう夢のある事に使われるのならば大歓迎です。)

市庁舎前の広場には、もみの木が森の様に茂っていて、その中にはクリスマスマーケットが広がっていた。メリーゴーランドやホットワインのスタンドが立ち、更にはサンタさんの出張所があり、クリスマスプレゼントの直談判が出来るというサービスもある。

「あはは!パリ市ももうちょっと頑張って、サンタさんのコスチュームを奮発してあげたら良かったのにねぇ。あんな胡散臭いサンタさんってあるかしら。一応青い目はしているけれど。」

 

それでも子供達は真剣そのものでサンタさんとお話しをしている。その横で見守るお母さんの笑顔が優しくて、感動する。何て幸せな子供達。クリスマスには希望通りのプレゼントが待っている事だろう。

「ね、Hiroko、クリスマスプレゼントは何がいい?君を喜ばせたいんだ。」
ムッシューも独り者で、やはりどこか寂しいのだろう。誰かを喜ばせる事で自分の孤独を紛らわせるのかもしれない。パリの街と似ていて、ここに生きる人達は、孤独な人に優しい。寂しい事も案外悪くないな、と思った。

クリスマスだからか、アクセサリーはゴールドの気分。ミモレ世代になって、良くも悪くも重厚感が増したから、小さめのピアスと華奢なブレスレットで十分な気がする。