フードジャーナリストの小松宏子さんが、最新の食のトレンドを紹介します。 

京都通や、京都によく足を運んでいる友人に渡すには、京都でも新顔のもの、話題のものをお土産に買って帰りたいものですね。「よく知ってるのね~」、「こんなお店できたんだ、行ってみたい~」などと、ほめられたいですよね。そこで、この1年ちょっとの間にオープンした話題の京都スイーツを紹介しましょう。それぞれ、イートインもあるお店ですから、次の京都旅では、ゆっくりまったりお茶とお菓子を楽しんだあとに、お土産をどうぞ。

【すはま屋】

 
 

すはまって、なんだか古~いお菓子というイメージがありますが、コーヒーにもとてもよく合う、モダンなお菓子だということを教えてくれるのが、2018年11月に御所南にオープンした、ナチュラルテイストなカフェ「すはま屋」です。ところで、すはまとは何か? 煎った大豆を粉にして水飴や砂糖とともに練り上げた和菓子で、茶事でもよく使われる、由緒正しい半生菓子です。もっちりとした食感と、どこか懐かしいような優しい甘さとほのかな香ばしさがあとを引きます。
実はこの場所は、惜しまれながらも3年半ほど前に閉店した、すはまで名高い菓子司「植村義次」が店を構えていた場所です。十六代目のご主人がお店をたたまれた後に、現店主に製法を伝授されたそうで当時は、お店を継ぐ気は全くなかったそう。でも、結局は現店主・芳野綾子さんが、360年の歴史を持つすはまの製法を思い、コーヒーのおともとしてすはまを食べさせる店を開く決心をしたのです。
いざ、完成したすはまには、「植村義次」の味を愛してやまなかった古くからの顧客の方達からもおすみつきをもらい、今では、とても喜ばれているとのこと。
写真のすはまは2日前までの要予約の品。独特な形は、浜辺の入り込みをモチーフにしたもので、おめでたい図柄としても知られます。美しい、黄色と緑の取り合わせは、古くは、黄色の大豆と、青大豆を用いたそれぞれのすはまの色を、色粉で表現しています。ひとくちサイズの生地がうっすら砂糖をまとっている、小さな「春日の豆」(702円)は当日でも購入可能。古めかしいと思われていたお菓子が、こんな形で京都で蘇っているという、ストーリーとともに差し上げると、一層喜ばれるに違いありません。

 

京都府京都市中京区丸太町通烏丸西入る堂真横町193番地
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