20年間で4万人以上の女性たちのヘアチェンジに立ち会ってきた、ヘアライター&エディターの〝さとゆみ〟こと佐藤友美さん。髪型が女性の見た目だけでなく、人生までをも変えてしまう現場を目撃してきた佐藤さんが書いた本、『女は、髪と、生きていく』では、自分史上最高に似合う髪型のみつけ方を中心に、女性にとっての髪型の重要性を説いています。今回はその素敵な著書の中から、心から満足できるヘアスタイルに必要な、3つの要素をご紹介します。

「今の髪型、似合ってるのに気に入らない」、そのワケ。_img0
 

「本当に似合う髪型選びは、自分探しに似ています」というさとゆみさん。ほんとんどの女性が、実際は似合う髪型をしているにも関わらず、自分の髪型にしっくり来ていないと言いますが、その理由は何なのでしょう?


いや、その髪型、とても似合ってますよ


私は普段、いろんな女性向けのセミナーに登壇し、彼女たちの髪の悩みを聞き、直接、髪型や美容院選びのアドバイスをしています。日本全国、10代から70代まで、数多くの女性と直接やりとりを重ねてきて、ひとつ、発見がありました。

それは、「いつも気に入った髪型にならない」とか「似合う髪型がみつからない」と相談される方の7割以上は、客観的に見て、ちゃんと似合っているということです。

つまり「髪型が似合っていない」と思っている女性たちの多くは、正確にいうと「(見た目的には)似合っているのに、気に入っていない」状態だということがわかります。

 


似合えばいいってもんじゃない問題


この、「似合っているのに気に入らない問題」は、別の角度から見ると、「似合えばいいってもんじゃない問題」ともいえます。髪型界隈では常にこの「似合えばいいってもんじゃない問題」が勃発しているのです。

たとえば、大きな目を生かすために「ぱっつん前髪」にした。

→めっちゃ似合ってるし、実年齢よりも5歳は若く見えるようになった。
→でもなんだかピンとこない。
→あ! 私、若く見せたいわけじゃないのかも!
→似合っていればいいってもんじゃない!

というような感じです。
顔や髪質に似合う(生かす)ことは大事ですが、それだけでは「(本当の意味で)似合う髪型」は手に入りません。なぜなら、「似合う髪型」には、次の3つの要素があるからです。


似合うには3種類ある


「似合う髪型」というと、ほとんどの人は、顔や髪質に似合っていることを指すと考えます。けれども、これは「似合う」の一部でしかありません。

それと同じか、それ以上に大事なのは、あなたの「心に似合うかどうか」です。心に似合うとは、今のあなたの気分や気持ちに合っているという意味です。

「似合う」には次の3種類あります。

(A) 顔・髪質に似合っている……45%
(B) 気分・気持ち(心)に似合っている……45%
(C) 日頃のスタイリング方法に似合っている……10%

どんなに顔や髪質に似合っていても(A)、その髪型が自分の気持ちとフィットしていなければ(B)、しっくりきません。
加えて言うと、「似合う」には、「日頃のスタイリング方法に似合う」(C)も関係します。毎日、髪を乾かすだけで精一杯なのか、アイロンまで使ってセットするのか。それによって、あなたに合う髪型も変わります。

どんなに顔や髪質に似合っていたとしても、心が変化したら、「(本当の意味での)似合う髪型」は変わります。よく「年齢にあった髪型にしましょう」などと言われますが、髪質だけでなく、年齢を重ねると人生の中での優先順位も変わるため、心に似合う髪型も変わって行くのです。

次回は「ショートに漂う『あえて髪型を選んでいる感』&大人女性にショートがおすすめな理由」をご紹介します。
 

「今の髪型、似合ってるのに気に入らない」、そのワケ。_img1
 

<書籍紹介>
『女は、髪と、生きていく』

佐藤友美 著 幻冬舎

「髪には「性格」があります。
あなたがどんな自分になりたいかを考えて、それを髪で表現することができたら、人生は変わります。」

日本で唯一無二であるヘアライターの著者が、髪について語り尽くした最新作!

前髪ひとつで人格が変わる
女は分け目から老ける
前上がるか、前下がるか、それが問題だ
女の知性は後頭部に宿る
美容院で「おまかせ」と言ってはいけない
美容師選びはダンナ選びより重要
髪キャラと本キャラを一致させる、など。

文/佐藤友美
構成/さかいもゆる

第2回:「ショートに漂う「あえて髪型を選んでいる感」&大人女性にショートが◎な理由」1月15日公開予定
第3回:「髪と自己肯定感」1月22日公開予定
第4回:「美容師に「おまかせ」と言ってはいけない理由」1月29日公開予定
第5回:「美容室で何を伝えればいいか」2月5日公開予定