グレイヘアには才能が必要!


さかい 最近注目されているグレイヘアについてはどうですか?

さとゆみ グレイヘアには才能がいるんですよ。綺麗な白髪になるかどうかはDNAで決まっているので、どんなにがんばっても、ならない人はずっとゴマ塩ヘアのまま。

 

さかい それは自分の母親を見ればわかるものなんですか?

さとゆみ 我が家の場合、祖母は雪のような総白髪でしたが、母はなっていないですね。私もグレイヘアにはならないタイプだと思います。こればっかりは、ひとりひとりのDNAで違うんです。だけど美容師さんはたくさんの方を見てきているので、相談したら、ある程度は予測できると思いますよ。私は今は白髪を染めてるんですけど、今の40代ならば、白髪は黒く染めるより、明るい色で「ぼかす」方が明るく見えておすすめです。ただ、自分で染めると、アルカリ除去をしないので髪にとってのダメージが大きいです。カラーのあとにキューティクルが開いた状態のまま過ごすことになるから、髪の栄養素も色素も抜けて行ってしまう。サロンで施術するとアルカリ除去でちゃんと毛を閉じてくれるので、値段だけの価値はあると思います。

 

さかい 1冊目の本『女の運命は髪で変わる』でもおっしゃっていましたよね。歳をとったらブランドバッグ1個買うよりも美容院代2年分払った方がいい、って。

さとゆみ 本当にそう。20万円のバッグ1個分で、カラーリング3、4年分はできるんじゃないですか。


自分に合う美容師のみつけ方


さかい では、いい美容室や美容師さんのみつけ方というのはありますか?

さとゆみ 自分が「いいな」「おしゃれだな」と思う髪型をしている人に美容師さんを紹介してもらうのがいちばん。理由はふたつあります。❶自分の好みの髪型が切れる技術やセンスを持っていることが証明されている。❷紹介してくれた人のメンツを潰さないよう、美容師さんにいつも以上の気合が入る。もちろん紹介じゃないお客様に手を抜くというわけではないですが、美容師さんも人間ですから。

もうひとつ大事なのが、最終的に「自分で決める」という行為。

さとゆみ 以前は「美容師さんを紹介してください」って言われると一人に絞って紹介していたんですが、意外と行ったあとの満足度が低くって。だから最近は、選択肢を2つか3つ出して選んでもらうようにしているんですが、そうすると、リピート率が圧倒的に上がるんですよ。

さかい へえ〜、不思議ですね! どうしてなんでしょう?

さとゆみ ある大学の研究結果で、「人間の幸福度にいちばん結びついているのは、年収でも美醜でもなく『自己決定感』」という話を聞いたことがあります。つまり、自分で人生を決めているかどうかが、幸福度や自己肯定感に直結するらしいんです。先日も、女手一つで娘さんを医学部まで育て上げたお母様から、「今まで節約生活で美容院に行ったことのない娘が、今年成人式で、人生初の美容院に行くんです。この晴れ着には、どんなヘアアレンジをすればいいでしょう?」と聞かれて。その親心はすごくよくわかるのですが、「いえ、お母さん、それはお嬢さんが自分で決めるのがいちばんの幸せなんですよ」と、インスタとグーグル検索のやり方と共にお伝えしました。

さかい 美容師や髪型を自分で選ぶことも自己肯定感に繋がっているというのは、興味深いですね。ところで、インスタやネットで美容師さんを探す場合は、何を基準にすればいいですか?

 

さとゆみ サイトに載っている髪型は、実際にはその美容師さんが髪を切ってはいなくてヘアスタイリングしただけのものも多いんです。だから選ぶなら、きちんとカットのビフォーアフター画像を載せている美容師さんを。最近はインスタでもビフォーアフターを掲載している美容師さんが結構居るので、その中でテイストが好きな人を探すのもいいんじゃないでしょうか。