日本初の「ヘアライター」として、4万人以上の女性たちの髪を見続けてきたヘアライター/エディターの〝さとゆみ〟こと佐藤友美さん。本当に気に入った髪型を手に入れることで、女性の自己肯定感はぐんぐん上がり、見た目どころか人生まで変わると言います。特に「40歳以上は髪で美人の下克上が起きる(!)」とか。さとゆみさんとライター・さかいもゆるさんの「アラフォー以降の女の髪の重要性」対談で、その理由が明らかに……!
アラフォー世代は自分に矢印が向いてない女性が多い
さかいもゆるさん(以下、さかい) 私、さとゆみさんの前著、『女の運命は髪で変わる』に感動して、バイブルとして何度も読み返し、まわりの友人にも薦めまくったんです。だから今日の対談、とっても楽しみにしていました。
佐藤友美さん(以下、さとゆみ) ありがとうございます。嬉しいです。
さかい 新著の『女は、髪と、生きていく』ではより細かく書かれていますが、特に髪型のオーダー法が、すごく新鮮で。今までは美容院で、なりたい女優さんの写真を見せるくらいしかしていなかったんですが、さとゆみさんの本を読んで、「髪型をオーダーするときは、したい髪の前に“なりたい自分”をまず考えるところから始めるんだ!」というのが、目からウロコでした。
本を読んでから、「女っぽくて色っぽい」という、自分の目指したい女性像がはっきりして。髪型がキマったら、服装もそこに寄せて行くようになって、ブレなくなった。そこから服選びも迷わなくなったんです。
さとゆみ それは何よりです。でも、さかいさんみたいにピタっと決まる人は意外と少なくて「なりたい自分自体がわからない」という方が多いんですよ。自分がどこに向かいたいかわからないから、何を提供されてもピンと来ない。服をたくさん持っているのに着る服がない。コスメも新作を買ったけれど次のシーズンにはまた買わなきゃいけないような気がしてしまう……。結局、自分の軸をどこかに置かないと、いつまでも迷子になるんですよね。
さとゆみさんの本のトークイベント会場では、泣き出してしまう女性が続出すると言います。それは、本を読むまで、自分に矢印が向いていなかったことにすら気づかない女性がいかに多いか、という事実を示しているかのよう。
さとゆみ 本当に髪のことしか話していないのに、ボロボロ泣き出す方がたくさんいらっしゃるんですよ。皆さん、「自分のことを大事にできていなかった」、「子供のことばっかり考えてた」とおっしゃって。「自分がどうなりたいか考えるなんて、おこがましいと思ってた」、と。
髪に手をかけることは自分に矢印を向けること
さかい そういえばイベントのときに、さとゆみさんが自己肯定感と髪の話をされていたのが、すごく印象に残っています。そのエピソードを聞いても、日本女性って自己肯定感がすごく低い気がしますよね。
さとゆみ そうなんです。とにかく、自分に時間をかけちゃいけないと思ってる人が多くて。例えば子育てしていると、歯医者や病院なら行けるけど、美容院には行けない。「旦那に子供を預けて美容院になんて行けないです」とおっしゃる。これは由々しき問題だな、という気がしますね。この本の取材でいろんなライターさんにお会いしたんですが、「私、本当に自分に自信が持てなくって」って、本の話をしながら泣き出す方がたくさんいたんです。皆さんとても綺麗な方なのに、ですよ。
さかい なんだか、さとゆみさんへの髪についての取材が、ある種カウンセリングのようになっている……。
さとゆみ つまりアイデンティティの危機なんですね。「どんな髪型にしたいの?」と聞いたら「ママ友に嫌われるのが怖いんです。みんなに嫌われない髪型がいいです」とおっしゃった人がいて。「それでいいのかな、あなたは一生ママ友に嫌われないために生きて行くのかな」と聞くと、ポロポロ泣き出してしまったり。
さかい 髪型すらもママ友目線で選ぶというのは、相当ですね……。だけどイベントに来て髪型の大切さを知って、髪を切って変わったという方もいらっしゃるんじゃないですか?
さとゆみ いつもイベントから3日以内くらいに「切りました!」という連絡をたくさんの方からいただきます。皆さん、「上手く行きました、見てください」って写真も送ってくださって。
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