20年間で4万人以上の女性たちのヘアチェンジに立ち会ってきた、ヘアライター&エディターの〝さとゆみ〟こと佐藤友美さん。髪型が女性の見た目だけでなく、人生までをも変えてしまう現場を目撃してきた佐藤さんが書いた本、『女は、髪と、生きていく』では、自分史上最高に似合う髪型のみつけ方を中心に、女性にとっての髪型の重要性を説いています。集中連載最終回となる今回は、いよいよ、「自分史上最高に気に入る髪型になるために、美容院で何を伝えればいいか」。さとゆみさん考案のオーダー法は、まさに永久保存版!

 

この本を書くまでに、3年間も様々な「髪型オーダーのためのワークシート」を考案し研究を重ねた結果、最も満足度の高いヘアスタイルが完成したという、さとゆみさん考案のワークシート。その詳細は、ぜひ書籍でご確認を! ここでは、そのワークシートも用いた、髪型オーダーの3つのステップをご紹介します。


STEP1: なりたい自分のキーワードを伝える


まず、美容師さんに、書籍のワークで出てきた「なりたい自分」のキーワードを伝えましょう。このキーワードによって、どんな性格の髪型にするかが決まります。

「可愛いボブにしてください」と「クールなボブにしてください」では、美容師さんの切り方がまったく変わります。このキーワードを伝えずに髪を切ることは、100点満点中45点はみすみす捨てることだと思ってください。

さらに、なぜこの3つのキーワードが大事なのか、その理由まで伝えられれば完璧です。理由を伝えることで、美容師さんが提案してくれる髪型の精度が上がります。

キーワードだけ伝えるよりも、理由を添えたほうが、意外と恥ずかしくありません。

 


STEP2: 物理的な制限を伝える


その上で、物理的な制限があれば、伝えてください。たとえば、仕事の都合で結べる長さが必須ですとか、髪色はこれ以上明るくできません、など。ただし、あまりNGだらけだと、髪が持つ性格を生かすことができないので、そこは注意。

前に縮毛矯正やパーマ、黒染めなどをしたことがあれば、薬剤の選び方に関わるのでそれも必ず伝えてくださいね。


STEP3: 写真を見せる場合は3枚以上見せる


もし、具体的に、こんな髪型になりたいというイメージがあるなら、ぜひ写真を見せてください。どんな美容師さんに聞いても「写真があると、とてもやりやすい」と言いますので、むしろ美容師さんを助けるつもりで、恥ずかしがらずに写真を見せてくださいね。

写真は3枚以上持って行くのがコツです。というのも、1枚の写真だけだと、その髪型の長さ、形、色など、どこが気に入っているかがわかりにくいからです。

3つ以上の髪型写真を持っていくと「ああ、この前髪の清楚な感じが好きなのね」とか「この、毛先のふんわり感がほしいのね」などと、好みがクリアになります。

また、ショートやボブは、横から見たシルエットやカットラインが印象を左右しますから、正面だけではなく、サイド&バックの写真もすり合わせしましょう。


自分の希望を伝えるのがどうしても恥ずかしかったら……


ここまで読んでいただき、それでも「私なんかが、色っぽくしたいなんて言ったら、困らせてしまうかもしれない」と気まずいようなら、今からする話をちょっとだけ聞いてください。

先日、専門学校の先生に「最近の美容専門学生は、昔の生徒とタイプが全然違う」と聞きました。

カリスマ美容師ブームのころは、「美容師にならなければ、服のデザイナーや料理人やウェブデザイナーになりたかった」という人が多かったそうです。でも最近は、「美容師にならなければ、ウエディングプランナーや介護福祉士、保育士になりたかった」という生徒さんがとても多いのだとか。

つまり、今、美容師さんになっている(とくに若い人たち)は、「誰かを助けて喜ばれる仕事につきたい」と思っていた人たちが多いということです。

美容師さんは、見た目がおしゃれですから、そんなおしゃれな人に、自分の希望を伝えることは気後れしてしまうかもしれません。でも、メンタル的には「自分のサポートで、誰かを笑顔にしたい」と思って仕事についている人たちばかりです。

あなたが「こうなりたい」と真剣に伝えれば伝えるほど、腕まくりして「よっしゃ! 頑張ります」と、気合いを入れてくれる人たちだと思ってくださいね。

 

<書籍紹介>
『女は、髪と、生きていく』

佐藤友美 著 幻冬舎

「髪には「性格」があります。
あなたがどんな自分になりたいかを考えて、それを髪で表現することができたら、人生は変わります。」

日本で唯一無二であるヘアライターの著者が、髪について語り尽くした最新作!

前髪ひとつで人格が変わる
女は分け目から老ける
前上がるか、前下がるか、それが問題だ
女の知性は後頭部に宿る
美容院で「おまかせ」と言ってはいけない
美容師選びはダンナ選びより重要
髪キャラと本キャラを一致させる、など。

文/佐藤友美
構成/さかいもゆる

第1回「「今の髪型、似合ってるのに気に入らない」、そのワケ。」はこちら>>
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第4回:「美容師に髪型をお任せにしてはいけない理由」はこちら>>