40歳から足掛け15年(!)も艶髪ロングだった、美容エディター松本千登世さんが髪をばっさりカット。ボブスタイルもすごく似合うと美容業界でも評判なのです。そのきっかけとヘアチェンジの効果を伺いました。
メイクを「義務」から「ときめき」に変える5つの方法【松本千登世】>>
松本 千登世 美容ジャーナリスト・エディター。1964年鳥取県生まれ。神戸女学院大学卒業後、航空会社の客室乗務員、広告代理店勤務を経て、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に勤務し、編集作業に携わる。その後、講談社で専属エディター&ライターとしての活動を経て、フリーランスに。女性誌や単行本など美容や人物インタビューを中心に活躍中。幅広い知識と穏やかな人柄が人気。『GLOW』(宝島社)『DRESS』(gift社)などの女性誌でコラムを連載中。著書『結局、丁寧な暮らしが美人をつくる。 今日も「綺麗」を、ひとつ。』『もう一度大人磨き 綺麗を開く毎日のレッスン76』 (以上、講談社)などがある。
「髪で自分を変えたい」と思ったわけじゃないのに、メイクからファッションまで変わりました
「よーし髪を切ろう!とか、髪で変わりたい、という意気込みがあったわけではないんですよね。長い髪に不満があったわけではなかったし……」と松本さん。
「毎月、撮影を担当している40代の女優さんがあるときばっさり鎖骨くらいのボブにされて、それがすごく素敵だったんです。ヘアスタイルそのものというより、軽やかでみずみずしくて、変わることを恐れていない感じと雰囲気がこちらに伝わってきて。”この人みたいに軽やかにみずみずしくなりたい”って思ったんです」
軽やかな空気感に触れて、ハッと反応した松本さん。その心の内は、
「なんとなく自分に退屈していたのかもしれません。自分の“枠”を作ってしまって、停滞感を感じていた……。仕事もルーティンになっている部分があって、かかる時間や労力を逆算して締め切りを考えたり。洋服も、新しいものに挑戦しているつもりだったけど、無意識に“こっちのほうが長く着れる”とか、“これは私らしくないかも”って。誰かとご飯を食べていても、明日を考えて何時までには帰りたいなと思ったり……。今から思えば、毎日の自分の行動がすべて見える、という感じだった気がします」
以前の長さを考えると、かなりばっさりと思い切ったボブ。ベストな長さをどう決められたのでしょうか。
「以前の私だったら、毛量の多さを心配して切ったら広がるんじゃないか、白髪のリタッチはどうしよう……など、色々考えて対策を練ってから切ったような気がします。けれど、今回は一切それがなくて。自分でもすごく不思議です。軽やかな大人になりたいというのが先にきて、髪は後からついてきたのかな」
「15年以上お世話になっている、ヘアサロンAMATAのスタイリスト伸江さんにその女優さんの写真を見せて、この人みたいにしてくださいと(笑)。写真のままにしてほしいというのではなく、私にとっての軽さの感じ、ざっくりと余計なものを落とした感じ、その空気感がいいなと思っているんですとお話しして。長さや細かいディティールについては、お任せして。まずは鎖骨下くらいの長さに切りました。切った後は、うれしくて大興奮して寝られなかったんです。触ったり、鏡をみたり、どきどきして。私の中ではすごく切った!と思ったし、ものすごく気に入って、わーいわーいと喜んで仕事に行ったんですけど、普段から髪色と同じ黒い服が多いこともあって、どなたも気づかなかったの(笑)。ちょっと拍子抜けだったんですけどね。
とはいえ、人に気づかれる気づかれないではなく、私自身は、髪を切った効果をものすごく感じることばかりだったんです。
まずメイクが変わりました。
ロングのときと同じ眉の描き方だとちょっと強すぎる気がして。あとはメガネですね。わりと太めの黒縁メガネを使っていたのですが、それもちょっと強く見えちゃうなあと、そういう調整が結構ありました。
逆にロングのときは女っぽくなりすぎるから敬遠していた、赤リップがさらりと似合うようになって。よけいな髪がなくなって軽くなったぶん、トゥーマッチにならないで赤やブラウンカラー、マットな質感が使えるようになったんですね。
ファッションでいうと、ジャケットやトレンチが着やすくなりました。
今思えば、ジャケットを着るときの髪型に悩んでいたんです。当時は悩んでいる自覚もなかったんですけど、髪を下ろすと衿にかかって重たいし、髪をまとめて結ぶと男装の麗人みたいになってしまって(笑)。でも今はもう髪型に悩まず着られるということにびっくり! そもそもテーラードジャケットやトレンチといったメンズライクなアイテムは大好きだったのに、髪を長くしてからは着る機会が減っていたんです。
メイクもファッションも、そういうワクワク感にも出会えたし、自分のなかでは髪を切ったということで、ものすごく変わったんですよ。なんで早く切らなかったんだろうって思うくらい。
ちなみに、ヘアスタイリストの方に、私15年間一度も具体的なリクエストしたことがないの。“ちょっと軽くしたい”くらいは言ったことはあるんだけど‥・…生まれて初めて言ったリクエストが“女優〇〇さんにように”ですからね(笑)。若い頃は恥ずかしくて言えなかったことが、大人になったら逆に言えるようになるのもいいですね」
松本千登世さんがミモレインスタライブに初登場! 『「ファンデーション」より「口紅」を先に塗ると誰でも美人になれる 「いい加減」美容のすすめ』の刊行を記念して、2020年2月28日(金)の夜、インスタライブ配信と合わせてミニイベントも同時開催いたします。
場所は、2020年1月10日にJR原宿駅前にオープンしたばかりの「@cosme TOKYO(アットコスメトーキョー)」にて。
ライブ配信は1F正面入口隣の公開型スタジオ「@STUDIO(アットスタジオ)」で行い、配信終了後は、同店のイベントスペースにてミニトークショーを開催予定です。
お席に限りがございますため、事前お申し込み式とさせていただきます。詳細は追ってご案内します。どうぞお楽しみに!
■日時 2020年2月28日(金)夕方〜夜を予定
■出演
美容エディター 松本千登世さん
メイクアップアーティスト 水野未和子さん
MC:ミモレ編集部 川端里恵
<新刊紹介>
『「ファンデーション」より「口紅」を先に塗ると誰でも美人になれる 「いい加減」美容のすすめ』
著者 松本 千登世 講談社 1300円(税抜)
「レシピ通りじゃなきゃいけない人が多すぎる」ある料理研究家の言葉に気づかされたという松本さん。スキンケア、メイクもいつも順番通りでいい? レシピはあくまでも、目安であっておいしさや心地よさは、自分にしか決められない。ときにはファンデーションより先に口紅、メイクよりも先にヘアスタイリングしてみる。アイラインかマスカラどちらかでいい、たまにはファンデーションを塗らない日があっていい……。もっと自由でいい、そしてたどり着いた「いい」「加減」。そのときに自分らしい「綺麗」が生まれることも。
長年の美容の取材から「レシピ」とおりではなく、自分らしいスキンケアやメイクのすすめ。順番を変えたり、方法を変えて自分らしい「いい加減」美容がいい。すぐにできるちょっとしたヒント集。メイクアップを中心に、スキンケア、ボディケア、ヘアケア、ファッションから考え方、暮らし方など幅広く網羅します。
著者のこだわりの愛用品などを写真で紹介。
何もかもそんなにがんばらなくていい。年を重ねていくのも素敵なこと、読んだ後にそんなふうに思える1冊です。
取材・文/藤本容子
構成/川端里恵
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