50歳を過ぎたら正社員になるのは本当に難しいものです。今正社員の人でも、時給制に切り替えられてしまう可能性のほうが高いくらいではないでしょうか。だからこそ上司は、50歳になる前に受けておきなさい、と言ってくれているのだと思います。私は、このチャンスに乗らない手はないと思いますよ。もちろん、受かるか受からないかはまだ分からないですけれど……。
と、ここまではあくまで“働く”という観点からのアドバイス。ここからは、少し“人として”のアドバイスも差し上げられたらと思ってお話しします。
今は人生100年と言われる時代。leapfrogさんは知力体力に不安が出てきたとおっしゃっていますが、まだ49歳です。あと50年もある人生を、どう生きたいと思ってらっしゃいますか? 今は娘さんを育てることに必死だと思いますが、子どもは必ず親の元を離れていきます。そのとき、どう自分の生きがいを構築していくか、一度考えてみてもらいたいと思うのです。
そして私がお伝えしたいことは、もし仕事が好きなら絶対に手放してはいけない、ということです。なぜなら私は、多くの仕事を手放してしまった人たちの後悔を見てきたから。仕事というのは人を成長させてくれます。それは、ビジネスは時代によって浮き沈みがあるものだから。だから働くことによって、時代を感じ取る感覚が身につくと思うのですね。私がこうして皆さんのお悩みに答えているmi-molletさんも、運営元は出版社です。でも時代を読んでこのようなWEB媒体を始め、より広い層の方に読まれるようになっているわけです。こういう時代感覚って趣味ではなかなか身につかないもの。長く生き抜いていくためには人は成長が必要ですが、仕事はその成長をもたらしてくれる一つだと思うのです。
せっかく49歳までバリバリ働き、上司も認めてくれるほどの実力を身につけたのですから、そこで成長するチャンスを簡単に諦めるべきではないと思いますよ。たしかに正社員になったら大変になるかもしれませんが、部下やチームを持って人を育てる力がついたり、社内以外の外部の人ともつながりが増えたりして、定年後の人間関係も大きく変わってくるはず。場合によっては、その人間関係から定年後の仕事がもたらされることも大いにあると思いますよ。
上司が変われば評価されないかも……、と心配しているなら尚さら。評価してくれる今の上司がいる間がチャンスだと思って、是非挑戦してみてほしいと思います!
- 小林照子1935年生まれ。美容研究家。現在のコーセーを経て、1991年に「美・ファイン研究所」を設立。モデルや女優、政治家など何万人ものイメージ作りを手がけるほか、[フロムハンド]メイクアップアカデミー、青山ビューティ学院高等部東京校・京都校の学園長も務めている。最新著書『48歳からの「いい男」の条件~第一印象を決める自分プロデュース術~』、『50歳から始める「きれい!」の習慣』(きずな出版)が好評発売中。2019年4月より新プロジェクト「アマテラス・アカデミア」を指導し、未来の女性リーダーを発掘、育成している。プライベートでは27歳で結婚。娘の小林ひろ美さんは同じく美容家として活躍中。 この人の回答一覧を見る
- 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
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