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知っておきたい質の良い睡眠の基本「睡眠不足ワースト1はどこの国の女性?」

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寝ないとどうなる? 体の不調、心の不調のリスク

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「睡眠時間が少ないと体にいろいろな影響を及ぼします。例えば睡眠不足により、自律神経が乱れます。すると交感神経・副交感神経の切り替えができなくなり、ホルモンバランスが崩れ、肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病にかかってしまう。
また、寝ている間に免疫が増強することもわかってきました。つまり十分に睡眠が取れていないと免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。ここ近年では女性の場合、乳がんなどのリスクが高くなることもわかってきました」(西野先生)。

 


認知症も防げる!? 脳と睡眠の関係性

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睡眠と切っても切り離せないのが脳の働き。「脳は使った分だけメンテナンスをする必要があるということも最近の調査でわかってきました。眠ることで脳の機能が格段によくなるんです」と西野先生。そこで、睡眠が脳にどのような影響をもたらすのか、具体的な事例を挙げていただきました。

・睡眠中に脳の老廃物を除去する
「脳はリンパシステムがないため、(肌などのように)老廃物をリンパに流し、排泄することができません。ですが、脳の中には脳脊髄液があってそれが睡眠中に脳を洗い流す働きがあることがわかりました」(西野先生)。ちなみに不適切な睡眠で脳の老廃物が溜まると、アルツハイマー病などの認知症のリスクが上がることもわかってきました。

・記憶を定着させる
情報や記憶を脳に定着させるのは睡眠が一役買っているとは驚き!「試験前に徹夜で一夜漬けするよりも覚えるだけ覚え、その後しっかり寝たほうが試験の結果が高かったというデータも出ています(笑)。4時間程度の短い睡眠を続けていくと認知能力もかなり落ちるので、『四当五落』は正しくないということになります」(西野先生)。

その他、記憶を整理整頓することもわかってきました。睡眠は単に体を休めるだけでなく、同時にメンテナンスをして機能を高めているのです」(西野先生)。


肌をリセットする!? 寝ることの大切さ

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「睡眠と脳の関係性って知れば知るほどおもしろいんです。今までの睡眠といえば脳を休めることくらいしか考えられていなかったのですが、レム睡眠の発見がわかってから記憶とのつながりも深く関係していることがわかってきました。睡眠中には記憶の整理整頓をし、要らない情報においては消去するという機能まで持ち合わせている。

また睡眠は肌にとっても良い影響をもたらすことがわかったんですよ。成長や、新陳代謝に重要なホルモンである“成長ホルモン”が入眠直後の深い睡眠中に放出されることは、1968年に日本人の先生がアメリカに留学している間に発見されました。成長ホルモンは大人や老人でも分泌されていて、寝ている間に皮膚や骨の新陳代謝をおこなうので、最近では『睡眠は美容やアンチエイジングによい』と言われているのです」(西野先生)。


睡眠は「時間」よりも「質」を優先すべき

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「ここ最近では『睡眠と美容』などの特集が多く組まれるようになり、その対策のひとつとして『シンデレラタイム(23時〜深夜2時)に寝ること』が挙げられていますが、大事なのは何時に寝るかというよりも、よい睡眠のパターンにこだわったほうがいいということ。

先ほどお話しましたが、成長ホルモンの分泌を促すのは入眠の時間ではなく、入眠直後の睡眠の質パターンに関わってきます。だからシンデレラタイムに寝なきゃいけないなんてことはないんですよ(笑)。注意すべきことは『最初に深い睡眠を得ること』なのです。そのためには、規則正しい生活を送り睡眠環境を整える、つまり睡眠の質が大事なのです」(西野先生)。


「睡眠負債」という言葉をご存知ですか?

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「睡眠時間が少ないと体にいろいろな影響を及ぼします」と西野先生。生活習慣病を始め、脳との関係。さらには老後の生活にも影響があるのだとか。

「よく『良い睡眠ってどのような睡眠なのですか?』と聞かれるのですが、皆さん、よく勘違いされているのは、良い睡眠=長い睡眠時間ではありません。時間は大切ですが、睡眠の質も同様に大切です。
アメリカで睡眠時間と長寿についての面白い実験データがあります。長寿の人の睡眠時間を調べると、平均して7時間前後と言います。興味深いのはこれ以上、これ以下の睡眠時間の人たちの6年間に及ぶ追跡期間中の死亡率が高いという結果でした。睡眠不足が体に影響を及ぼすことは明確ですが、睡眠時間が長すぎるというのも実は体にとっては良くないことなのです。

現代人は圧倒的に睡眠不足。よく『週末に寝だめすれば大丈夫』と言う人もいますが、前もって睡眠を多く取っておくような「睡眠貯蓄」はできません。医学的根拠もないですし、そもそも健康的ではありません。睡眠不足が毎日続くと慢性の睡眠不足状態に陥り、1日や2日多めに寝たからと言って解消できるはずなんてないのです。現代人は何ヶ月、何年と睡眠の“負債”が溜まっているのです。週末に多めに寝たとしても借金していた負債分を少し返納しただけ……多くの人は借金が膨れ上がった『睡眠負債』になっているのです」。


べッドでのスマホはやっぱりNG。睡眠の質を妨げる生活習慣

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「寝るといってもただ寝るだけではダメ。忙しい日本人は質の良い睡眠を習慣づけることが大切ですね。ベストな睡眠環境というのは眠たいと感じた時に寝ることです(笑)。まぁ、それができれば誰も悩んだりしないのですが、良い睡眠というのも実は個人によって差があるため、睡眠時間ひとつにしても自分でベストな時間を探していくしかないのです。
ですが、

・昼間に眠くなる
・起床してしばらく経っても頭がスッキリしない
・体がだるい
・イライラしがち

などは、睡眠時間が足りていない証拠です。こういう方は睡眠の見直しをされた方がよろしいかと思います」(西野先生)。

「また、明らかに睡眠の質を妨げるような生活習慣も見直すべきです。1番はベッドに入ってからのスマホです。ここで誤解がないようにお伝えしておきますが、睡眠時に注意しなければいけないのは『スマホを見る時間』なんです。体内にあるメラトニンという成分は夜に放出されることが多く、睡眠を促します。特にブルーライトに反応することがわかっていて、睡眠を妨げてしまうんです。しかも、入眠前は脳を使わず単調にする必要があるのに、スマホでネットサーフィンしていたら脳が興奮して……いつまで経っても寝られるはずがありませんよね(笑)。

もちろん、メールチェックもダメですよ。眠る前にわざわざ頭を使わなくてもいいですし、もしかしたら気にかかるメールがくるかもと気にしていたら、睡眠環境は悪化の一途。体のために脳のために頭を空っぽにして過度に緊張している状態からリラックスモードへ切り替えるようにしてください」(西野先生)。