現在、一人親、もしくは両親が共働きの核家族という世帯は、地域によって差があるものの、およそ4割から6割が該当するといわれます。企業が賃金の支払いありの休業を指示してくれたり、有給を消化できる人は何とかなりますが、それができない職場はたくさんあるでしょう。また、非正規社員やパートの場合、次の契約がなくなることを心配して、仕事を休めないという人も多いはずです。
休業対策がないことについてメディアが一斉に批判したことから、政府は、社員に休暇を取得させた場合、事業主は1日あたり8330円を上限とする助成金を受け取れる仕組みを導入しました。この措置は、雇用保険に加入していない非正規社員やパート労働者も対象となりますから、とりあえず会社勤めの人は、政府から支援が受けられることになりました。
しかし、この支援策にはフリーランスや自営業者は含まれておらず、企業に勤めていない人は、支援が受けられません。これについても疑問の声が上がったことから、政府は3月10日、業務委託を受けて働くフリーランスの人にも1日当たり4100円を支援する方針を決定しました。
遅ればせながらこうした対策が打ち出されたのは、国民の多くが声を上げ、それをメディアが取り上げたからです。
本来であれば、こうした人たちをどうケアするのか、政府が考えた上で対策を打ち出すのがスジですが、残念なことに、日本のリーダーの中でこうした感覚を持っている人はあまり多くありません。しかしながら、リーダーたちにこうした感覚が欠如していることを嘆いても、問題が解決するわけではありませんし、選挙がすぐに行われるわけでもありません。
今回の休業補償は、世論の声がきっかけとなったわけですから、やはり「おかしい」と思うこと対してはしっかりと声を上げていくことが重要でしょう。
ウイルスの影響が経済全体に及び始めていることから、会社から事実上、無給での自宅待機を強要される人が増えており、実質的な解雇や雇い止めもすでにあちこちで発生しています。日本はすでに消費で経済を回す国になっていますから、消費者の生活が破壊されてしまうと、経済に対してさらに深刻な影響が及びます。
幸い、今はネットが発達しているので、どこで何が起こっているのか可視化されやすくなっています。一人ひとりの情報発信が大きな力になるということを私たちはもっと自覚した方がよいでしょう。
前回記事「自粛ムードの中での「巣ごもり消費」が日本の生活を変えていく」はこちら>>
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