ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える新連載。第1回に続き、38歳で結婚を決めたゆかりさんの彼と出逢うまでを掘り下げます。婚期が遅れた理由には、家庭環境が……。

第1回「超絶モテ女が38歳で結婚を決めた理由とは」はこちら>>
 

著者とは幼なじみでもあるゆかりさん(46歳)。6歳年下のひろゆきさんと34歳で出逢って、38歳で結婚。


婚期を逃した原因は、15年間交際したモラハラDV男との腐れ縁


38歳で結婚したゆかりさんですが、彼女が晩婚になったのは、モラハラの彼氏との腐れ縁のほかに、育った家庭環境がかなり影響していました。

経営者の父親と見合い結婚した箱入り娘育ちの母親の間に、兄と弟がいる中間子として生まれたゆかりさん。父親はお手伝いさんに育てられたスーパーお坊っちゃまで家庭には興味がなく、子供達にはお金だけ渡せば育つと思っているタイプ。ゆかりさんが長年付き合ったモラハラ彼氏に暴力を振るわれて青あざを作っても何も言わなかったそう。

それに対し、母親は夫が浮気していても「仕事が忙しいのね」と思うような世間知らずで、子供には過保護で過干渉。成人してからも子供達(お兄ちゃんや弟も!)の門限は18時。お兄ちゃんたちもデートでも必ず18時には彼女を帰すように言われていたらしいです。ゆかりさんの帰宅が門限を。少しでも過ぎるとドアにチェーンをかけられ、「アバズレ娘!」と罵られる環境でした。パパとママの教育方針が、どっちも極端すぎる(涙)! ゆかりさんは、典型的な機能不全家族で育ったアダルトチルドレンだったのですね。

 

さかい:でもさ、高校時代、うちは厳しくてみんながクラブとか行ってるときに行けなかったけど、ゆかりはみんなと一緒に夜遊びしてたからうらやましいなって思ってたんだけど……。ゆかりの家に門限なんてあったの?

ゆかりさん:あれは毎回命がけで、窓から抜け出して遊びに行ってたんだよ。親がめちゃくちゃ厳しかったから子供のときから生きづらさを感じてて、その反動で高校から遊びまくったの。親に反発するためにいろんな悪いことをしてた。うちは親戚がみんな大会社の社長とか家柄がすごい人ばかりの一族で、「女はお見合い結婚でいいとこの男性のところに嫁に行くのが当然」って空気の中で育ったのね。しかも私はお勉強ができないから、「若さしか取り柄がない」って親戚からも言われてて。彼氏ができると親だけじゃなくて親戚中が交際に口出ししてくるから、ずっと「恋愛ってめんどくさいな〜」って思ってた。
 

 

母親に泣きながら「彼に会いに行くならママは死ぬ!」と止められて……


そして19歳のときに付き合い始めたBさんとのことで、ゆかりさんは家族との対立を余儀なくされるのです。

私も知っているその彼は、有名企業の御曹司で顔だけは芸能人ばりにハンサムだけど、見るからにチャラくてチンピラのような男性(ゆかり、ごめん!)。

彼女のことを束縛しまくるわりに自分は好き勝手に遊んで、ゆかりさんが「別れよう」というと殴る、でも一緒に居るときは優しい。そんなモラハラ男性の常で、彼女にダメ出しばかりしてどんどん自信をなくさせる。そこで気が強いゆかりさんが言い返すと、また殴る。歯向かうと暴力を振るわれるため、「もう痛い思いはしたくない」と彼の言うなりになっていたのですが、殴られてあざを作っているゆかりさんを見て、母親は交際に猛反対。

ゆかりさん:「彼に会いに行くならママは死ぬわよ! 絶対に行かせない」って泣きながら言われて、玄関にチェーンをかけられたりしたの。Bはそういうことも知ってたから、「お前が親と仲良くしたら、親をぶっ殺すからな」って。だから私は板挟みになって、実家暮らしだったけど家族とは距離を置くようになったの。彼と私のことで親戚会議まで開かれて、その頃は本当にボロボロだったよ。毎日「早く死にたい」ってずっと思ってた。辛かった……。

でもあるとき、母がガンになって看病しないといけなくなったから、もう、そのためだけに生きてる感じになったの。

 
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