ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える新連載。38歳で結婚を決めたゆかりさんの彼の出会いのきっかけはダーツ・バー。ダーツ・バーが婚活におすすめの理由と、晩婚で気になる「子供」のこと、二人の決断とは……。
第1回「超絶モテ女が38歳で結婚を決めた理由とは」はこちら>>
第2回「38歳、「いい子」をやめたら、結婚できた」はこちら>>
ダーツで出会って家を行き来する仲に
「結婚って自分を取り繕って良く見せないといけないからめんどくさい」。そんな風に思っていたゆかりさんが30を過ぎてから変われたのは、今の旦那様Aさんに会えたから。そして彼に会えたのは、ダーツ・バーでした。
実は、私が以前「恋活で出会える場所」という企画の取材をしたときにも、ダーツ・バーって出会いの穴場だったのです。私が取材したときはIT系のシュッとした爽やかイケメンが多かったのですが、なぜ穴場かというと、みんな純粋にダーツを楽しみに来ているからガツガツせず自然に出会える上、ゴルフみたいにやり方を教えてくれる男性が居たりして、仲良くなりやすい。
ゆかりさん:10代から50代くらいまでの人たちが来ていて、いろんな肩書きの人がいる。私はチームに入っていて毎週試合に参加しているので、そこから本当に交流が広がって、文化祭みたいで楽しいの。
今まで男性を顔や肩書きで選んでいたゆかりさんだけど、「ダーツ」という共通項だけで繋がれる場所だったからこそ、Aさんをみつけられたのですね。
38歳で結婚してからの生活は、お互いに干渉はしないスタイルで、朝帰りもOK。というのも、基本的にはお互いが知っているダーツ仲間と飲んでいることがわかっているから。ダーツ仲間とは合鍵を渡して互いに家に泊まり合う仲で、しょっちゅう家に誰かが遊びに来ているんだとか。
ゆかりさん:みんな、オナラブーブーしても大丈夫なくらい気を許しあった仲間(笑)。一時期は、メンタルを病んでしまったダーツ仲間の男の子がうちに1ヶ月くらい住んでたこともあるのよ。
そこまで深く付き合える仲間がアラフォーになってからみつかるなんて、ダーツの絆、すごし!
さかい:朝帰りしてもOKなんてすごいね。お互い信頼関係があるってことでしょ?
ゆかりさん:今思えば、今までの彼は遊んでる人たちだったから、こっちのことも疑ってたんだなってわかったんだよね。旦那さんは一切そういうのないし、私も、前の彼には疑われて殴られたりしてきたから、安心させる努力はしてる。
この辺りは、お互い歳を重ねてからの結婚だから得られる落ち着きというのもありそう。
壮絶な不妊治療の中、旦那さんからのことば
そして晩婚といえば気になるのが子供のこと。
38歳で結婚したゆかりさんは、相手が長男だったことから、「血を絶やしてはいけない」という気持ちで不妊治療をがんばったそう。その内容も聞くだけでも壮絶なものだったのですが、辛そうなゆかりさんを見て旦那様は耐えられなくなり、「結婚したときから子供はできないものだと思っていたから、不妊治療はもうやめよう」と言ってくれました。
もうひとつ、私にはゆかりさんに聞きたかったことがありました。
さかい:私もいわゆる「毒親」育ちだから子供を産むのが怖いっていう気持ちがずっとあったんだけど、ゆかりはどうだったの? 子供を産むのが怖いとは思ってなかった?
ゆかりさん:私もそれはあったかも。子供を産んだらママみたいな「毒親」になると思ったから、実は幼児教育の資格を取って幼稚園の先生をやってたこともあるの。まあ、結局できなかったけどね。産んだら産んだでどうにかなってたとは思うけど、私は家事は女がやるっていう気持ちがあるから、子供がいたら完璧にやろうとして大変だっただろうな〜。だけど「産まない」っていう選択をした今でも、「子供がいないのは女として不完全なんじゃないか」って思いは消えないよね。
完璧主義なゆかりさん。子育てに関してもそこまでして対応しようとしていたなんて・・・。なんでもやろうと思えばできちゃうからこそ、相手の気持ちや状況に応えようとしてきたことが彼女を追い詰めていたことを思うと、胸が詰まる想いでした。
今の結婚生活に「精神的な不安が一個もない」という彼女に、どうしたらそんな相手と出会えるのかを聞きました。
ゆかりさん:とにかく自分軸で生きること。40歳前後で「老後が不安だから」って焦って結婚してる人も居るけど、まず自分が何をしたいかがきちんとわかってないと、結婚したからって幸せにはなれないと思う。「ひとりじゃ生きていけない」とは思うけど、今の夫だって先に死ぬかもしれないし、結局誰でもいつかはひとりになるでしょ? だから結婚にこだわるよりも、好きになれる人をみつけるための自分探しをした方がいいんじゃないかなって。
何を持って自分が幸せと感じるのか。ゆかりさんはそれを追求した結果、「精神的な安らぎ」を一点集中で求めるようになったらAさんと出会えた。
さかい:いいな〜。私もそういう再婚がしたい! もうときめきとかいらないから安心感が欲しい…。
ということで、取材中なのに自分の最近の恋愛事情を話したところ、「もゆるちゃん、仕事ができても思いやりがない男はクソだよ!」と彼女が一刀両断してくれて清々しかったです。
ゆかりさん:自分の都合を押し付けて女子を道具にしてくる人はクソ! ダメな人とああでもないこうでもないってやってても、結局別れるから! 自己中な男性に合わせても、都合よく使われるし向こうも物足りなくなっちゃう。私も前の彼でそれを学んだから、少しでも「こいつクソだな」って思ったらどんどん切るようにして今の夫にたどり着けたのよ。
クソの連発で笑いましたが、ほんとそれ。
恋愛に迷ったら、占いよりも、散々ダメ男と付き合ってきたけど最終的に幸せな結婚相手をみつけた女性に聞くのがいちばんだなと、心に刻みつけておこう。ゆかりの言葉、説得力ありすぎるから!!
「一緒に居ても無口で全然しゃべらない」というゆかりさんの旦那様ですが、よく聞いてみると、ダーツ以外にもゲーム好きという共通点があるので、家にはあらゆるゲーム機があり、一緒にゲームで遊んでいるのが楽しいそうです。ちなみにAさんはゲームをやるためだけに携帯を9個も持っている筋金入りのゲーマー。写真を見せてもらったら、想像よりずっとハンサムで男っぽい男性で、ゆかりは本当にいい旦那さんをみつけたな、と私まで嬉しくなってしまいました。
「クソ男も肥やしにした」というゆかりさんの名言を胸に、私も自分らしく居られるような男性をみつけようと、心に決めたのでありました。
構成/川端里恵(編集部)
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