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睡眠環境を妨げるナイトウエアって?よく眠れるアイテムの3つの条件

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睡眠特集最終回は、ミモレでもファンの多いナナデェコールのディレクターである神田恵実さんにインタビュー。「実は切っても切れないのが睡眠と服との関係性。質の良いナイトウエアに着替えるだけで睡眠の質も変わりますよ」と神田さん。ぐっすり寝られるナイトウエアの条件とは? ご自身の体験談をもとに服と睡眠についてのお話をうかがいました。

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神田恵実
nanadecor ディレクター/Juliette主宰
ファッションショーの制作、編集プロダクションを経て大手出版社に勤務。後にJuliette.incを設立しファッションエディターとして、女性誌や書籍の編集、国内外のファッションブランドの広告、カタログやウェブ制作などを手がける。2005年にはオーガニックライフの素晴らしさと必要性を伝えたいと、「nanadecor」 をスタート。プロダクト開発のみならず、ワークショップの企画、女性の雇用支援など、衣食住、様々な視点から、オーガニックライフをトータルで啓蒙。現在はオーガニックに関するコンサルティングやディレクション業務、睡眠の重要性を伝える活動、幼児教育に関するアプローチを始める。リマクッキングスクール師範科卒業、睡眠改善インストラクター。AMPPルボアフィトテラピーアドバイザー。近著に『頑張りすぎているからだとこころを休ませる本 ゆるめる自分』がある。現在、こころとからだを自分でケアできる女性を育む未来型オーガニックライフ研究所「my organic labo」 を立ち上げ様々な勉強会や企画・コンサル、コンテンツ編集を行っている。

 

 


慢性的な睡眠不足を解消してくれたナイトウエア

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「ナナデェコールのブランドを立ち上げて今年で15周年を迎えます。当初のブランド設立時からナイトウエアをデザインしていました。『睡眠環境をどのように整えるか』という問題は現代女性の重要な問題でもありますよね。そのひとつにナイトウエアが深く関係していると思っているんです。

睡眠環境が悪いと睡眠の質が下がるということは、皆さん、ご存知のことと思います。入眠後、数時間後に睡眠の質が深まって初めて成長ホルモンが分泌されます。その“質”が悪いとホルモンが十分に分泌されないため、疲れが溜まったり、肌の修復機能が満足に働かず、しわやたるみなどのエイジングを始め、髪の潤いやダメージなどさまざまな症状につながっていくと考えられています。もちろん、脳への影響も忘れてはいけません。脳は寝ることによって休息をするわけですが、睡眠時間が不足すればするほど、スイッチが常に入った状態に。これでは体も心も休めるはずがないんです」(神田さん)。
 

オーガニックコットンがもたらす「心地よさ」

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「私自身も睡眠に悩んでいた一人。日々のストレスや慢性的な疲れが溜まっていて、休日はマッサージやエステに通い続ける日々。なのに症状は良くならず、眠りも浅かったですね。

そんな時に出合ったのが『オーガニックコットン』という素材。触っただけで気持ちいいと感じました。その後、あまりに気持ちが良いので『これで寝たらどうだろう?』と半ば趣味でオーガニックコットンのナイトウエアを作ったのです。
実際に着てみると気持ちがいいので、それでしか眠れなくなり……どうやら眠りも深くなってきたようで(笑)。次第にナイトウエアや眠る時の着る服によって眠りが深くなることなど、睡眠の質を左右することがわかるように。最初は半信半疑で、『まさか、ねぇ?』と思っていたのですが、自分の体で実感できたことは驚きましたね。

オーガニックコットンのパジャマを着て寝るうちに、翌朝、すっきりと目覚められるようになりました。3ヶ月ほど経ったある日、行きつけのエステでマッサージがモノ足りなく感じたのです。エステティシャンのテクニックの話でなく、疲れの出方や感じ方が違い、エステに通わなくてもいいくらい体が健康になっていたのです。つまり、私にはもう必要なくなっていたのです。

まさか、肌に触れるモノが自律神経や睡眠の質を劇的に変化させていたとは思いもしせんでした。ですがこれは私だけでなく、ナナデェコールを愛用してくださるお客さまからも同じような声が聞こえてきたのです。
『オーガニックコットンは違う』。綿100%とも違う『肌触り』や『心地よさ』の違い。それは一体何なんだろう、と。

ここでオーガニックコットンについておさらいをしたいと思います。オーガニックコットンとは3年以上農薬や化学合成の肥料、殺虫剤、除草剤等を使用せず自然のサイクルに従って栽培収穫された『綿花』のことです。自然の循環システムを守り、化学物質による自然環境への負荷をできる限り軽くするため、オーガニックを暮らしに取り入れることが世界中で拡大しています。ここ最近では、環境に優しいサステナブルな取り組みをされるメーカーやブランド、消費者の方に認知が広まりつつあります。
ナナデェコールで使用しているオーガニックコットンは認証マークは製品についていませんが、オーガニック原料を第3者の認証機関によってきちんと証明されたオーガニックコットンです。さらにふわふわで心地の良い素材を厳選しているため、洗うほどに心地よくなる肌触りが特長です。

良い睡眠を得られたことは、私にとって良いことづくしでした。アクティブに動けるようになりましたし、何よりも疲れなくなりました。食への関心も高まり、今は健康そのもの(笑)。日本人は睡眠時間が短いですし、女性は特に頑張りすぎる方が多いので、ストレスのリリースや体と心をゆるめるための手段のひとつとしてナイトウエアをぜひ、おすすめしたいですね」(神田さん)。
 


ズハリ! 睡眠環境を妨げているナイトウエアとは?

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神田さんからより良い睡眠環境を整えるナイトウエアの提案をいただく前に、今のあなたのナイトウエア事情をチェック! 「もしかして……こんな格好で寝ていませんか?」

●ナイトウエアと部屋着を兼用
意外と多いのがこのタイプ。帰宅して寝るまでの時間が短いということもあり、同じ格好で過ごしている方が多いんですよね。できれば、それぞれに分けたほうがベター。ナイトウエア(パジャマ)は「寝る時だけのもの」として体に意識させることも大切なのです。「ナイトウエアを着る=寝る」というスイッチが入り、眠りやすくなります。


●着古したTシャツ&短パン・トレーナー
古くなった普段着をナイトウエアとして使っているという方も多いですよね。ですが、より良い睡眠環境を作るという意味では、見直すことをおすすめします。外着は「人からどのように見られるか・見られたいか」というお洋服です。一方、内着は「自分だけの服」。ボロボロなTシャツやトレーナーでは気持ち的にもゆとりが無く、これでは睡眠環境も整いません。「自分を大切にして眠る」リセット&チャージの時間だからこそ、ナイトウエアに価値を持たせるとそれだけで気持ちが上がり、眠りがより上質になることも忘れないでください。


●サイズが合っていない
体を締め付ける服で寝ていませんか? 肌には人には目に見えない情報を気配でキャッチする能力を携えています。化学繊維や体を締め付けるようなナイトウエアでは緊張はほぐせません。せめて、寝ている間だけはそのスイッチをオフにして「緩めてあげる」ことも大事です。
 


神田さんが指南するナイトウエア<3つのこだわり>

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良い睡眠環境を得るために作られたナナデェコールのナイトウエア。神田さんがモノづくりをするうえで大事にしている<3つのこだわり>を教えていただきました。

●その1「肌触りを左右する縫い目」
心地良さにこだわって作っているので、生地や原料であるオーガニックコットンのほか、裁縫まで細心の注意を払っています。ナナデェコールでは肌への負担が少ないということから「三巻き縫い(みつまきぬい)」を取り入れています。
布地の端を三つ折りにしながら、その上を縫い止める方法でミシンでも高度なテクニックが必要となります。この三巻き縫いの最大の良さは『肌触りの良さ』なんです。肌が過敏になっているとタグや脇の縫い合わせ部分が肌に触れるだけかゆみを生じてしまうことがありますよね。三巻き縫いですとその負担を和らげ、回数の多い洗濯にも耐えることができるのです。


●その2「機能と可愛らしさを兼ね備えたデザイン」
デザインする上で2つのことを守っています。ひとつは首回りのバリエーション。スキンケアをする方は広め・寒がりさんは衿つきなど、パジャマは好みがあるので必ず季節ごとに広めと狭めと選べるようにデザインしています。
もうひとつは見た目の工夫。いつもとは違うフェミニンなモードに着替えることも入眠スイッチを切り替えるためのツールになります。可愛らしさやフリルなど女性らしいフェミニンなデザインで顔まわりを彩るよう心がけていますね。


●その3「ストレスを感じさせないゆるっとしたデザイン」
気持ちよく寝られるように体を締め付けないデザインになっています。特にワキの部分は太いリンパ節があるため、ゆったりとしたデザインにしています。また、パジャマのパンツやレギンス、最近人気の高い下着などもストレスを感じさせない伸縮性を持たせたデザインになっています。


神宮前のサロンのほかには新宿伊勢丹、うめだ阪急の直営店、ECでも展開しているナナデェコール 。一度袖を通すと手放せなくなると海外からの問い合わせもあるのだとか。片付けコンサルタント“こんまり”こと、近藤麻里恵さんもブランド設立当初からのナナデェコールの愛用者のひとりなのだとか。そのほか、モデルさんや女優さんの愛用者が多く、出産時のギフトの定番に。

「定番アイテムは『スズランドレス』『チェリーブロッサム』というドレスです。洗うほどに柔らかくなる肌触りが特長です。ナイトドレスにレギンスを合わせて、全身をゆるめて着ていただきます。レギンスはお腹から足首までをゆるやかに温め、ドレスは顔まわりの華やかさを出すためにレースを使用しています」(神田さん)。 

「オーガニックコットンって不思議なんですよね。洗うと『とろける』感覚なんです。時間が経つとしっくりとなじみ、極上の肌触りになる。心地良さが増していうような。だから、元気になれたんです。だから私は年に一度、ナイトウエアを買い替えるようにしています。『ありがとう』と感謝の気持ちを込めて。そしてまた心地良い眠りにつけるように」(神田さん)。


睡眠環境を整えるナイトウエア。くしくも3月18日は「世界睡眠デー」。「現代女性はスイッチの切り替えが大切。短時間でも眠りが深くなるツールを身近に揃えておくだけで安心して眠りにつけると思いますよ。ナナデェコールでも睡眠にちなんだ企画を立てているので、是非チェックしてみてください」と神田さん。たかがパジャマ、されどパジャマ。心地良さを追求するオーガニックウエア、一度試してみてはいかがでしょうか。

取材・文・撮影/長谷川真弓
構成/藤本容子(編集部)

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