ついに東京オリンピックの延期が決定。新型コロナウイルスによって翻弄され続けたこの3月。今この瞬間も私たちの健康と生活を守るために戦ってくださっている専門家のみなさまや医療関係者のみなさまに敬意を表するとともに、闘病中の方々の快復と早期の終息を祈らずにはいられません。

一方で「コロナ疲れ」という言葉も生まれるなど、先行きの見えない状況に私たちのメンタルもギスギスしがち。電車内で咳やくしゃみをしたことから乗客同士でトラブルになるニュースも目立ちました。

コロナに限らず、あおり運転やSNS上でのバッシングなど、近年「怒り」に身を任せたことによって起きる悲しい事件や事故、トラブルが急増。その対策として、注目を浴びているのが「アンガーマネジメント」(怒りの感情をコントロールする方法)です。

 

いやね、実際のところ、僕も最近ちょっとヤバいなとは思いはじめていた。明らかに怒りの沸点が低くなってきている。駅ですれ違うときにぶつかったとか、スーパーの店員さんの態度が悪いとか、ちょっとしたことでムカッとなって、つい声を荒げそうになること、まじである。

 

僕は老いることをまったく悪いことだとも恥ずかしいことだとも思っていないけれど、電車の中でキレてるおっさんとか、店員さんにやたらクレームをつけているおっさんを見かけるたびに、ああいうふうにはなりたくないと眉をひそめておりました。でも、火花みたいに頭の中で怒りがショートしたとき、ふっと思うんです。自分がああならない保証なんて、どこにもないんだと。

だからこそ、気になっていたアンガーマネジメント。でもこれがなかなか難しい。メジャーな例では、6秒待って、その間に深呼吸するとか簡単な計算をするとか、いろいろ言われていますが、6秒待って深呼吸したところで、次の瞬間、「やっぱり腹立つ!」と瞬間沸騰。うちのティファール、仕事が早すぎ。

これはどうしたものかと考えあぐねていた矢先に見つけた最適なアンガーマネジメント法が、他ならぬ推しでした。


推しは、生きるγ-アミノ酪酸


日々のイライラやモヤモヤなど、鬱積するストレスをやわらげるには、何と言っても推しがいちばん。取引先のメールの文章にいちいちイラッとしたり、普段ならスルーするはずの周囲の嫌味や小言になぜかヘコんだり。そんなときはできるだけすみやかにひとりになれる場所に駆け込んで、Googleの検索窓に打ち込むのです、推しの名を。

すると、出るわ出るわ画面いっぱいに推しの顔。くしゃっと笑った瞬間に覗く八重歯だとか、目尻にできる笑いジワだとか、キュートなフェイスとは裏腹に雄みを感じさせる喉仏とか、浮き出る腕の血管とか、とにかく推しの好きなところを全面補給。チョコを食べるとほっとするのはγ-アミノ酪酸という成分が入っているからだそうですが、だったら推しは生きるγ-アミノ酪酸では?

それでもダメなら、今すぐイヤフォン取り出して動画を再生。僕の選ぶ、一発で世界を幸福にするノーベル平和賞動画に「多和田任益でケボーンダンス!」っていうのがあるんですけど、1分24秒で終わるんで今すぐ観て。

『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のケボーンダンスを腕もげるぐらい全力かつルミナリエかな?ってぐらい眩しい笑顔で踊っている推しの姿に、僕はこの1年間、何度も救われてきました……。

効いたよね、早めのパブロン。推しは、心の特効薬です。このストレス社会を生き抜くためにも、用法用量を守って正しくお使いください。

 
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