華麗でマニッシュ「雅子さまがお好きなスタイル」4つのキーワードとは?
<キーワード③>
はっきりした色使いのドレスやスーツで華やかに
グリーンのロングジャケットに濃紺のロングスカートは、ロング×ロングのすっきりしたIラインのシルエットが、スラリとした雅子さまにお似合いです。バッグと靴も定番の黒で。写真/JMPA・光文社
「サウジアラビアを訪問した際にお召しになったグリーンのスーツは、多くの女性の記憶に残っていることでしょう。伊藤和枝さんのデザインのこのスーツは、テラコッタ色に広がる砂漠にとてもよく映えていました。ちょうど『シェルタリング・スカイ』という砂漠を舞台にした映画が話題になっていたころで、まるで映画から抜け出てきたように素敵でしたね。
このお写真では砂漠ですから、肌を出さないようにパンツを。ご公務の内容によってロングスカートをはき分けていらっしゃいました。
襟やスリットを縁取るブレードも、雅子さまはとてもお好きですね」
<キーワード④>
襟に一工夫することで、お顔周りの変化を楽しむ
「雅子さまは、襟元にポイントを持ってくることが多いのです。首がすらりと長いので、ハイネックやボリューム感のあるフリルなどがよくお似合いになり、お顔周りがいっそう引き立ちます。レースやフリルなどでロマンチックに、一方でノーカラーのスーツは首の後ろに高さを出すなどシャープに、印象を上手に変えられていますね」
シンプルなシルエットながら、鮮やかなブルーが印象的なセットアップ。胸元のカスケードフリルがエレガントです。1994年11月、中東4カ国歴訪に際し訪れた、タイ・バンコクをご出発に。写真/JMPA・主婦と生活社
即位の礼の儀式のひとつ、饗宴の儀でお召しになられたシャンパンゴールドのロングドレス。衿元のフリルはやがて5つの薔薇の花へと……物語のある華やかなローブデコルテです。2019年10月22日、皇居・宮殿にて。写真/REX/アフロ
「下写真の光沢がある水色のローブ・モンタントは、上皇陛下の80歳の誕生日に行われた一般参賀にお出ましになった時の装いです。首の後ろが立ち上がったウイングカラーは、雅子さまがお好きなデザイン。正面に小さなくるみボタンがたくさん並んでついているのが、楽しいアクセントになっていますね」
淡いミントグリーンのドレスは、コンパクトな襟と小さなくるみボタンが印象的なデザイン。襟の真ん中にアクアマリンとダイアモンドのブローチを留めて、華やぎを。2005年12月23日、天皇陛下72歳のお誕生日を祝う一般参賀にて。写真/ロイター/アフロ
シンプルなクリーム色のセットアップを品よくお召しに。細めのショールカラーと前立てのシャープなステッチが凛とした印象です。2017年4月13日、東宮御所にて。写真/AFP ・アフロ
いかがでしたでしょうか?
ご自身に似合うものがよくお分かりになっているからこその、雅子さまスタイル。
この4つのポイントをおさえておけば、これから雅子さまのお召し物を見るときよりいっそう楽しめることでしょう。
石原裕子(いしはら・ゆうこ)
ファッション評論家。長年に渡りパリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークのプレタポルテコレクションを取材し、世界のファッション業界事情に精通している。即位関連の一連の儀式の間、メディアで雅子さまの装いを分かりやすく解説。現在、テレビ・雑誌・講演などで活躍中。「ファッションチェック」という言葉の発案者でもある。
●聞き手
高木香織(たかぎ・かおり)
出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に、『愛のダイアナ』( 講談社)、『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』( ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さま あの日あのとき』(講談社)、 カレンダー『永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、 『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。
敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、
その当時のものを使用しています。
取材・文/高木香織
構成/片岡千晶(編集部)
前回記事「ご結婚前から皇后になられても変わらない「輝く雅子さまスタイル」3つの特徴」はこちら>>
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