あのキム・カーダシアンやジャレッド・レト、サム・スミスなど、多くのセレブが外出自粛中の今、ハマっている番組があります。それは、Netflixのドキュメンタリー番組『タイガー・キング:ブリーダーは虎より強者!?』

タイトルだけ見ると「なんのこっちゃ」という感じだし日本ではまだあまり認知されていないようなのですが、セレブたちがそんなに夢中なら観てみるか、と1話を観始めたら……。最初から「OMG!!」や「NOOOOOOOOOOOOOO!!!」などとと思わず叫んでしまう衝撃エピソードの嵐。これは今流行中の「オンライン動画鑑賞会」で、みんなで同じ番組を実況しながらワイワイ観たら絶対楽しそう!と思ったので、ご紹介させていただきます。(※若干のネタバレあり)

「俺のペットはトラ。みんながうらやましがる」と主人公のジョー・エキゾチック。ちょっとちょっと、いくらペットって言ったって、そんなにトラに近づいて大丈夫なの!?


・危険な猛獣とムツゴローさんばりにじゃれ合う人々
この作品の主人公はアメリカのオクラホマに私設動物園を作り、187頭ものトラをはじめ、クマや毒ヘビ、ワニなどの危険な野生動物をペットのように飼いならしたジョー・エキゾチック。番組は実在する人物たちへのインタビューで構成されているのですが、大きなトラたちと戯れまくるジョーの姿に今にも噛まれそうでハラハラし、冒頭から「ノーーーーーーーー!!!」と叫んでしまいます。しかも途中で腕を食いちぎられてしまう従業員も出てきて「ほら言わんこっちゃない…(涙)」となるし、じゃれていて噛まれ、腕から血を出している人も(食いちぎられるシーンはグロではないので血に弱い方でも大丈夫かと)。

 

なぜこのような衝撃映像が全て記録されているのかというと、ジョーを主役にしたドキュメンタリー番組を企画したプロデューサーがいて、彼が何年間も四六時中ジョーの動物園に張り付いて、一部始終を撮影し続けていたから。
 

このトラの保護団体のキャロルが個人的にはものすごく怖かった。SNSで動物好きなイメージを演出しているけれど、実は殺人容疑もあるし動物と人から搾取しまくりの、本物のサイコパスっぽい……。

・登場人物全員クレイジー、しかも悪人
登場人物が全員クレイジー。主人公のジョーは2人の夫と重婚しているゲイ。銃を携帯し、敷地内で撃ちまくる。動物園の雇用人はホームレスやジャンキーなど、どこにも逃げ場のない社会的弱者をあえて雇ってこき使う。ふたりいる夫のひとりは未成年でドラッグ依存症なのですが、「結婚したら好きなだけ薬を買ってあげるよ」と、弱みに付け込んで自分の思い通りにする。そしてそんなジョーをボスとして崇める従業員たち。

またジョーを敵対視するPETA(動物愛護団体)で、トラの飼育を反対する「ビッグ・キャット・レスキュー」を経営するキャロルとの対立がストーリーの軸となっているのですが、そのキャロル自身、かなり真っ黒な経歴を持ち、動物愛護とは名ばかりで、自らが目立つこと、動物愛護の名の下に人々からお金を搾取することしか考えていない。
 

ジョーとはまた別の私設動物園を経営するドク・アルトルは、9人の妻がいるとも言われる女好き。従業員から彼のハーレムにのし上がるには、処女であることや豊胸手術を強要されるらしいです。

ほかにも、女性従業員全員と関係を持ちハーレムを築いている施設動物園経営者や、飼っているトラをラスベガスに連れて行きナンパのエサに使う実業家男性、毒ヘビたちに麻薬を詰め込んで取引に使い、映画『スカー・フェイス』のモデルになった麻薬王、などなど。人や動物を利用することしか考えていない悪人ばかり。全員が犯罪者か前科者で、まともな人がひとりも出てこない(笑)。

……ありえないことばかりで、「カルト集団ってこうやって出来上がっていくんだなあ」、と。アメリカの片田舎の底知れない闇が伺える、日本にはないタイプのカオスにカルチャーショックを受けました。

アル・パチーノ主演の『スカー・フェイス』でトニー・モンタナ役のモデルとなった麻薬王のマリオ。映画の話が本当なら、お金のために容赦無くチェーン・ソーで人を殺したりしていて、怖い!!

ドラマティックな人生を送っているキム・カーダシアンでさえも、番組鑑賞中に思わず「なんてクレイジーな内容なの!」とTweetしたのにも納得の、これが実際に起きた出来事とは信じがたいエピソードが次々に明かされて行くのであります。

・トラは人にパワーとカリスマ性をもたらす
この番組を観て初めて知ったのですが、トラやライオンと記念写真を撮ってマッチングアプリのプロフィール画像にするのがアメリカではポピュラーだそうで。以前ご紹介したドリー・パートン・チャレンジで、Tinder用のプロフィール画像をトラとのツーショットにしているセレブがいたのはそのせいだったのですね。

よく青年誌で見る怪しいグッズの広告で、冴えない男性がバスタブに女性と札束をはべらかしている写真がありますが、まさにあんな感じ。トラを飼う人たちの周りには、トラとセルフィーを撮りたい美女たちが、ウソみたいにワラワラと集まって来ます。こんな風にトラが人々の自己顕示欲を満たすための道具に使われている世界があったなんて、これまたカルチャーショック!

ちょっとここまで読んでも、どんな番組なのかピンと来ない方の方がもしかしたら多いのではないでしょうか。それもそのはず。このドキュメンタリー番組は、私たちの常識や想像を遥かに超えているのですから……!

百聞は一見に如かず、という言葉がこの番組には相応しい。そして観たなら必ず人に話したくなる。

Netflixと連携できる「Netflix Party」というサービスを使うと、離れた場所にいる友人や家族たちと作品を同時に観ながらグループチャットも可能。エンタメを通じて親しい人たちと繋がることが出来ます。そんな「Netflix Party」におすすめの『タイガー・キング』。ひとりで観てももちろん面白いのですが、あまりの衝撃の内容に、観ながらひとり言を連発してしまうこと、請け合いです。

前回記事「コロナ鬱&コロナ離婚防止に!グウィネス・パルトロウがカウンセラーに訊いた、外出自粛中の過ごし方」はこちら>>