新型コロナウイルス対策でシンガポールでもサーキットブレーカー(ソフトなロックダウン)、東京等でも緊急事態宣言が出て一週間。慣れないことで苦労している人も多いと思いますが、ネガティブなことばかり考えていると気がめいってしまうので、この局面を前向きに捉えたいと思います。

 


今回を機に、様々な仕事の在り方が変わっていくといいなと思います。多くの業種で在宅勤務が導入され、それと同時に様々な工夫が生まれています。これまでオンライン化がいまいち進みづらかった領域でも、在宅でできることの可能性は広がっていると思います。

 

たとえば、海外や地方の在住者で、これまで東京で開催されるイベント等に参加したくても物理的な距離により参加できなかった人にとって、今はむしろ参加できるものは増えているかもしれません。日本にいる人が海外のYogaクラスに参加することや大学の公開授業に出ることも、これまで以上にやりやすくなりました。

私も先日、『モーニングクロス』という日本のテレビ番組にシンガポールにいながらゲスト出演させていただくことができました。普段シンガポールに住んでいるため、日本への一時帰国のときにだけ出させていただいていたのですが、日本にいる他のゲストまでもがZoomで参加することになったので、むしろ遜色ない形でコメントをすることができました。

『モーニングクロス』出演時の様子。撮影は、番組MCの堀潤さん。

博士課程の学生として在籍している大学院のゼミでも、今までは先生や面識のある後輩に頼み込んで自分だけリモートで入っていましたが、先日から全員がZoomで参加する方式になりました。これまでのようにゼミ室の端っこに座っている人の声が聞き取りにくいということがなく、またZoomでリンクが共有されていると「ちょっと覗いてみようかな」という気持ちで参加することもできるので、格段にハードルが下がります。

大学では指導教員の押印をもらって提出しに行かなければならない書類も多かったのですが、この類の作業もメール等のオンライン提出に切り替えてもらえたらとても助かります。

ただしこれらは自宅に通信機器があることが前提であり、それらを持たない家庭にとってはさらに格差がついてしまうという問題はあるので、少なくとも子どもたち向けにはオンライン授業の導入に合わせた機器やWi-Fiの貸与をしてほしいなと思います。またスクリーンタイムばかり長くなってしまう問題は残るとは思いますが、これを機に様々な「対面じゃないと」という文化を見直して、良いところはコロナウイルスが落ち着いてからも維持できるといいと感じます。

前回記事「【おうち育児】退屈は、ときに子どもをクリエイティブにする」はこちら>>