全国の書店員さんが選ぶ、今一番売りたい本を決める「本屋大賞」。今年の大賞は、凪良ゆうさんの『流浪の月』が受賞しました。受賞作の『ライオンのおやつ』小川糸さん、『夏物語』川上未映子さんのミモレインタビューを始め、数々の作家さんへの取材を手がけるライター渥美志保さんと、編集部きっての本好きバタやんこと編集・川端が、秀作揃いの今年の受賞作品を勝手に全作レビューするインスタライブを配信しました。ライブでは、各作品へのそれぞれの思い入れが溢れるあまり時間オーバーになってしまったのですが……。それぞれの作品のあらすじを含めて、見どころをコンパクトにご紹介します! 気になった作品は、おうち時間のお供にぜひ読んでみてくださいね。
<2020年本屋大賞 受賞作品>
大賞:『流浪の月』 凪良ゆう
2位:『ライオンのおやつ』 小川糸
3位:『線は、僕を描く』 砥上裕將
4位:『ノースライト』 横山秀夫
5位:『熱源』 川越宗一
6位:『medium 霊媒探偵城塚翡翠』 相沢沙呼
7位:『夏物語』 川上未映子
8位:『ムゲンのi』 知念実希人
9位:『店長がバカすぎて』 早見和真
10位:『むかしむかしあるところに、死体がありました。』 青柳碧人
<翻訳部門>
1位:『ア-モンド』ソンウォンピョン著、 矢島暁子訳
2位:『掃除婦のための手引き書』 ルシア・ベルリン著、岸本佐知子訳
3位:『三体』 劉慈欣著、大森望、光吉さくら、ワン・チャイ訳
<発掘部門>
『無理難題が多すぎる』 土屋賢二
「本屋大賞」は一番バランスが取れた文芸賞
編集・川端里恵(以下、バタやん):「本屋大賞」とは、2004年から始まった「全国の書店の書店員さん」の投票によって選出される賞なんですね。多く文学賞やノンフィクション賞などは、出版社が主催していて、作家とか書き手の人が選考委員をやることがほとんどですが、これは書店員さんがノミネート作品も受賞作も選んでいるというところに価値がありますね。渥美さんは、本屋大賞のどういったところに注目していますか?
渥美志保さん(以下、渥美):本屋大賞は、文芸賞の中でも非常にバランスが良い賞だと思っています。賞によっては、歴史的に選ばれるものがやや男性的だったり、偏りがあったり、業界内向けの雰囲気を感じるものもありますけれど。本屋大賞は、本を売っている人が選んでいるだけあって、これは売れそうだ、売りたいっていう思いがストレートに出ている作品が選ばれるから、純粋に“面白い”と思える作品が多いように思いますね。
バタやん:エンターテインメント性が高いですね。ミステリーからSFまで。誰でも楽しめるメジャー感があるものが多いというか。大賞受賞作品に限らず、本屋大賞エントリー作品はその後、映像化されるものも多いですし。本屋大賞をチェックしておくと先取りできますね。
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