コロナで仕事が激減したフリーランスや個人事業主向けの最大100万円の給付金、「持続化給付金」の実施が正式に決まり、申請受付がスタートしました。
その申請とは簡単なのでしょうか?申請に必要なものとは?申請の前に準備しておくことや気をつけておくことは?実際に申請予定のフリーランス編集者が調べてみました。

フリーランス・個人事業主はコロナで100万円給付を受けられるか調べてみた>>

 


フリーランス・個人事業主に最大100万円を給付してくれる「持続化給付金」とは?

まず「持続化給付金」とは、コロナウイルスの感染拡大により、仕事がキャンセルになったり営業自粛になった事業者やフリーランス、個人事業主に、事業の継続を支え、再起の糧にしてもらいたいと、中小法人なら最大200万円、個人事業主やフリーランスなら最大100万円を国が給付してくれる制度のことです。2019年の売上の同月と比較して(2020年1~12月のいずれかの月において)50%以上減少していたら給付の対象になります。

私自身、コロナウイルスの感染が拡大してから、エディター・ライターとしての仕事が軒並みキャンセルになり、収入が激減。この制度を利用させていただこうと思っています。そこで、今回はフリーランス、個人事業主が持続化給付金の申請をする場合に事前に用意しなければならないものを調べ、その情報を共有したいと思います。

 

コロナウイルスでどれくらい仕事が減った?2020年3月と5月のフリー編集者の手帳の中身を公開します!

いまだにアナログ式のスケジュール管理でお恥ずかしいですが、私の手帳の中身を見ていただくと、仕事量の差は歴然!見開きで月間のスケジュールがひと目で見られるマンスリータイプの手帳を使っていますが、2020年3月(上)は毎日予定がびっしり。5月(下)はスカスカです…(涙)。

では、持続化給付金の詳細の前に、フリーランス編集者の私がコロナの前と後でどれくらい仕事量が減ったのかをレポートしたいと思います。

緊急事態宣言が出る前の2020年3月までは、ほぼ毎月、手帳のスペースがなくなるくらい予定がみっちり入っていました。撮影したり、打ち合わせしたり、原稿を書いたり…土日が仕事になる日もありました。コロナが少しずつ拡大していった3月はだれかと会うときはできるだけマスクを着用して気をつけながらも、どうにか進めていきました。

そして4月に緊急事態宣言が発令。すると、人数が集まらなければ実施できないモデル撮影は、もちろん実施がNGに。撮影の仕事がどんどんキャンセルになっていきました…。決まっていた仕事にいくつバツ印をつけたことでしょうか。フリーランスの編集者になって約15年。こんなことは初めての経験でした。そして5月になっても人数が集まる撮影を避ける状態は続いているので、新しい仕事のオファーはほぼ来ません。自宅で、自分自身で撮影できる企画を考え、できる範囲で仕事を進めている毎日です。もちろん、レギュラーの仕事以外、6月以降のスケジュールもほぼ入っていません。

こんな状態なので、持続化給付金を申請する条件である「2019年の売上の同月と比較して50%以上減少」というのは、もちろん当てはまってしまいました。


コロナで収入激減!フリーランス編集者の今とこれから>>


フリーランスが最大100万円を受け取れる「持続化給付金」はオンライン申請


「持続化給付金」はスマホでも申請可能!


では、話を「持続化給付金」に戻します。
この給付は基本的にはオンライン申請になっています。そして、パソコンだけでなく、スマホでも申請ができるようになっています。
電子申請をするのが難しいときは、全国に設置されている申請サポート会場を事前予約した後に、利用することができるそうです。

オンライン申請の前に必要なのは、提出書類の電子化!明瞭であればスマホで撮った写真でもOK

今回の申請はすべてオンラインで完結できるるため、申請前に大事なのは、提出書類をすべて電子化しておくことです。「持続化給付金」事務局ホームページを見ると、データの形式はPDF、JPG、PNGのいずれかとのこと。スキャナーで読み取ったり、明瞭であれば写真でも可能とのこと。つまり、ていねいにきれいに撮影すれば、スマホで撮影した写真を提出してもOKということです。これは助かりますね。

ちなみに、iOS 11 以降のiPhoneやiPadを使っている方の場合、注意が必要です。「持続化給付金」事務局ホームページ「よくあるご質問」にも掲載がありましたが、該当のスマホやタブレットの場合、撮影した画像のファイル形式がは、JPEGではなく、より高効率なHEIFが標準設定になっているようです。HEIF形式の写真は、電子申請に添付ができないので、ホームページに記載の方法での対応が必要になりますので、お気をつけくださいね。


「持続化給付金」はオンライン申請に手続きに必要な書類4

では、ついに本題です。「持続化給付金」の申請に必要な書類を紹介していきます。今回紹介するのは、個人事業主やフリーランスの場合です。

必要書類1:2019年の確定申告書類の控え


まず必要なのは2019年の確定申告書類の控えです。青色申告をされている方は、基本的には確定申告書第一表の控え(1枚)と所得税青色申告決算書の控え(2枚)の最大3枚。
白色申告の方は、確定申告書第一表の控え(1枚)だけ。どちらの場合も、2019年分の確定申告書第一表の控えには収受日付印が押されている必要があります。
こちらをスキャンするなり、撮影するなりして、データ化します。

「確定申告書第一表」はこちらです。「持続化給付金」事務局ホームページより掲載

なお、e-Taxで申請された方は、手続きをしたときにメールで届いた「受信通知」を一緒に提出する必要があります。

「受信通知」はこちらです。「持続化給付金」事務局ホームページより掲載。


必要書類2:売上減少となった月の売上台帳の写し


毎月の売上がいくらかがわかる、売上台帳が必要。提出するのは、その中で「2019年の売上の同月と比較して50%以上減少」という条件をクリアした2020年分の対象月の売上台帳です。
たとえば、2020年4月の売上が2019年4月の売上よりも50%以上減少したのであれば、2020年4月分の売上台帳になります。

ちなみに、“売上台帳”といってもフォーマットの指定はないので、2020年●月のものかが明確にわかれば、手書きの売上帳でなくてもよく、経理ソフト等から抽出したデータやエクセルデータでもいいそうです。

なお、2019年の月別売上に関しては、書類としての提出はありませんが、オンライン申請の時に入力する必要があるので、情報を用意しておく必要があります。


必要書類3:通帳の写し


こちらは簡単ですね。給付金の振込先になる口座の通帳の写しです。銀行名、支店番号、支店名、口座種別、口座番号、口座名義人のすべてが確認できるように、通帳をスキャンしたり、撮影します。ネット銀行などで、紙の通帳がない場合は、電子通帳等の画面等の画像を提出すれば問題ないそうです。


必要書類4:身分証明書の写し

必要な書類の最後は、本人確認の書類です。
1種類の提出で大丈夫なものは、運転免許証、個人番号カード、写真付きの住民基本台帳カードや在留カード、特別永住者証明書、外国人登録証明書(在留の資格が特別永住者のものに限る)だそうです。いずれの身分証明書も、申請を行う月において有効なものであり、記載された住所が申請時に登録する住所と同一のものに限るとあります。

これらの身分証明書がない場合は、住民票の写しとパスポート、住民票の写しと各種健康保険証、など2種類を組み合わせることで提出が可能になります。

子供の休校でフリーランスの私は1日4100円を支給してもらえるのか調べてみた>>


「持続化給付金」のオンライン申請期間は、令和3年1月15日(金)の24時まで

5月1日(金)より、申請受付を開始している。「持続化給付金」事務局ホームページより掲載

給付金のオンライン申請はすでに受付を開始しており、令和3年1月15日(金)までとなります。来年の年明けまで申請期間があるのは助かりますね。なお、令和3年1月15日(金)の24時までに電子申請の送信を完了しておかなければなりません。

申請時の細かい内容を確認されたり、疑問が発生した場合は、こちらから見られる、「持続化給付金」事務局ホームページのPDF資料の閲覧がおすすめです。とてもわかりやすくまとめられていたので、よかったらこちらもチェックされてみてくださいね。

私も資料の電子化の準備ができたら、実際に申請手続きをおこなう予定です!

構成・文/高橋香奈子

 

前回記事「子供の休校でフリーランスの私は1日4100円を支給してもらえるのか調べてみた」はこちら>>