親の年齢を考えて同居を検討し始めている、という人は多いでしょう。でもその決断は、どういうタイミングでするべきか。あるいは「決断を先送りにしたほうがいい場合」とはどういうものなのか? 終活ジャーナリストの金子稚子さんにアドバイスをいただきました。
prk0406さんからの質問
Q. 母と同居するためマンション購入を検討中。でも、本当にこれでいいのか悩んでいます。
母が60を過ぎ、私も30代になりました。今まで別々に暮らしていましたが、母の定年と私の仕事の将来を見据えて同居しようと、マンションを探しています。私としては今まで苦労をしてきた母と楽しく一緒に暮らし、いずれは介護がやってくることも覚悟しての決断です。が、私自身まだ結婚しておらず、また将来仕事で独立したいという目標があるので、本当にこれで良いかと悩んだり、そうかと思えば「何とかなる」とポジティブに思う日もあり、日々葛藤しております。母は幸いにも手に職があり、現在も変わりなく働いてくれていますが、私がマンション購入しようと言ったばかりに「一緒にローンを返そう!」と張り切り、これからも働かせてしまうと思うと申し訳なく、また歳をとって知らない土地へ引っ越しさせるのも酷なのかなとも感じます。
そして、母と言えども離れて暮らしていたので、お互いの生活ペースが合わずストレスにならないかも心配になります。私には兄がいますが、結婚し子供もおります。そして、母と離婚してからは疎遠で、過去を許すことができない父がいますが、兄は介護が必要になったら面倒をみると言っているので、それ以上の相談はしていません。独身で家庭環境が似ている友人もいないため、こちらにご相談させていただきました。よろしくお願いいたします。(31歳)
A. 現状は、あらゆるものを流動的にしておくべきと思います。
ご相談内容を拝見しまして、いくつか気になるところがありました。それを一つずつ解きほぐしながら、回答させていただきますね。
まずは「母をこれからも働かせることになるのが申し訳ない」と書かれていたことです。でも、歳を取っても働くことってそんなに悪いことでしょうか? これからは人生100年時代といわれています。そう考えると、60代というのはまだまだ若い。ひょっとしたらお母さまは「これからが人生の後半戦」と前向きな気持ちで捉えられているかもしれません。私などは、もしかしたらお母さまにとっては後半戦のスタートを切るいいきっかけなのかもしれないな、と思ったほどです。
もう一つ気になったのは、prk0406さん自身がまだ30代に入ったばかりであるということ。prk0406さんにとってこのタイミングは、お母様のように“人生の後半戦”と捉えるにはまだ早いと思います。お母さまのためにと決められたことだったのかもしれませんが、ちょっと決断を急ぎ過ぎてはいませんか? これから結婚する可能性も、出産する可能性も大いにあると思います。お母さまより、まずは自分の人生をどうしたいか考えるほうが大切ではないかと感じたのです。
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