●ケンカの回避法
「ケンカが起きるか起きないかって、お互いの体調や気分にもよると思うんです。小さなイライラが募って、あるときホルモンバランスの関係でドーンと爆発する。だからケンカって、そもそもそういうものなんだ、ということを認識しておくといいと思います。決して夫が嫌な人なわけではなくて、今日たまたま自分の調子が悪くてドーンときただけなんだ、と。それを常に思っていると、ドーンときそうになっても「まあえっか」となったりします。そうはいっても私も時にはこらえきれないことがあるので、それでガッといってしまったときは、後で必ずフォローをするようにしています」
●ケンカの仲直り法
「もう許しているのに、意地を張ってしまう人って多いですよね。向こうから謝ってくれれば受け入れるのに……みたいな。私はこの時間が嫌いなので、いかに減らすかを大事にしています。だからできるだけ早い段階で、自分から何か声をかけるようにしていて。そうしたら、何となく会話になって、険悪だった空気もウヤムヤになっていきますから。かける言葉はほんまに何でもいいんです。『今日、何食べる?』とか『あのドラマ、始まるよー』とか。タイミングも、目が合ったときでもすれ違ったときでもいい。わざわざ『さっきはごめんね』とか重い空気にしなくても、チャンスがあれば照れ隠しの軽~いひと言を自分からかければ、意外と仲直りできるものです」
●良いケンカとは?
「自分が我慢していたことを相手にパッとぶつけて、相手もパッと返して、すぐなくなる“しゃぼん玉”のようなケンカならしてもいいと思います。“より良い夫婦になるために”という枕詞がつくケンカですね。やはり、あんまり我慢しすぎてもしんどいと思いますから。でも、それだけ冷静ならそもそもケンカにはならない気がしますけどね(苦笑)。
『雨降って地固まる』という言葉があるように、『ケンカすることで絆が強まるのでは?』という声もあります。よくドラマとかで、不良同士が河原で殴り合って、最後に『お前、なかなかやるな』と握手をかわす、というようなシーンが描かれますが、あれって夫婦間でもあり得るのかなあ? 話し合いなら絆は深まると思うんですけど、ケンカはやはり勝ち負けになってしまうと思うんですよね」
「ケンカするほど仲がいい」は子供には通用しない
最後に野々村さんは、「どんなケンカでも子供の前では絶対にしてはいけない!」とも教授してくれました。
「私は子供の頃、両親が言い合いを始めると、その声を聞くだけで心臓がギューッとなるくらい不安になっていました。自分の子供には絶対同じ思いをさせたくない。だから夫と言い合いはしても、子供の前でケンカはしないようにしています。『ケンカするほど仲がいい』というのはあくまで大人の言い分で、そんなこと子供には分かりません。親のケンカは絶対に子供の心に重くのしかかるので、子供の前でケンカすることに慣れないでほしいんです」
野々村さん自身、ケンカに対して自制が効くようになったのは、やはり子供が生まれてからだと言います。
「子供たちのために、というのは一番ですが、あとは『ほんまにムダな時間を使ってるなあ』と常々感じていたことも大きいですね。以前は、夫にやってほしいことや気づいてほしいことを汲み取ってもらおうとしていたのですが、それをやめてすぐ伝えるようにしたら、ものすごくラクになりました。うちは家事に関しての言い合いが多かったのですが、何をどうやってほしいか具体的に伝えたり、リストにして渡したことで、だいぶ改善されました。ケンカって実は、毎回同じ原因で起こっていると思うので、仲がいいときにそれを書き出して一緒に潰していくといいと思います。いろいろやってきたおかげか、ケンカは年々減っています。結婚したときからすると、8割減までいってるんじゃないですかね。ケンカは頑張ったら絶対に減らせる。今こそ、そこに取り組むべき時やと思います!」
取材・文/山本奈緒子
第2回「コロナ禍で冷めた夫婦仲を改善するための気の持ち方とは?」は5月29日公開予定です。
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