最近、本を読んでいますか? 筆者はライターという職業柄、仕事で本をよく読みます。それでも、「読書が趣味」かと問われれば、「いえいえ、滅相もありません!」と首をブンブンと横に振ってしまいます。

塾や予備校に通うことなく東京大学に現役合格し、教養学部超域文化科学科を主席で卒業した国語教師の吉田裕子さんは、『明日の自分が確実に変わる 10分読書』の中で、読書には「呪い」があり、そのせいで多くの人が読書の機会を逸していると語ります。筆者が「趣味は読書」と自信を持って言えない理由も、この「呪い」に原因が……!

そこで、読書の力で人生を切り拓いてきたという吉田さんに、1日10分を積み重ねるビギナー向け「読書のすゝめ」を教えてもらいました。

 

「私の実感として、自己投資の中でも“読書”ほどコストパフォーマンスの高いものはそうありません。お金というコスト、時間というコスト、どちらから考えても、読書は効果が高いのです。勉強や仕事の基盤となる力を伸ばし、効率化を実現してくれるので、読書はかえって時間の捻出につながるとさえ思います」

こう語る吉田さんは、公立高校から東京大学文科三類に現役合格し、教養学部超域文化科学科を学科首席で卒業。本を読むことで読解力などがアップし、勉強のあらゆる局面で読書が役立ったと語ります。

そんな吉田さんが読書好きになったきっかけは、小学校の時に出会った『少女パレアナ』(エレナ・ポーター) という一冊でした。

 


孤児のパレアナは気難しい叔母さんと生活を共にすることになりますが、亡父との約束「喜びの遊び」に従い、どんな物事にも喜びを見出していきます。そんな明るい彼女のおかげで叔母さんも次第に心を開き、ついには街全体にまでパレアナの元気が伝播していくというストーリーに、吉田さんは大感動。

厳しい物事にぶち当たっても、パレアナのようにポジティブに変換できる能力を身に着けたといいます。

「心理学に詳しい人なら、これが“認知療法”になっていたのだとお気づきかもしれません。“認知療法”とは、人が成長する過程で身につけた、被害妄想などの“認知の歪み”を修正する心理療法のこと。元々悲観的に物事を解釈しがちだった私は、パレアナのおかげで、精神的な歪みを解消できたのです。

大学生になってからも、社会人になってからも、私は『少女パレアナ』を人生の節目節目に読み返しています。新しい環境に向かうときなどに、パレアナの姿勢を思い出すことが、前に進む力になります。


1冊の本には、人を変える力がある。

そのことを私自身が実感し、読書にとても感謝しているからこそ、誰もがそういう 1冊と出会えるといいな、と願うのです」

 
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