腸内は多様性が大切、悪玉菌にも役割がある
腸内細菌は善玉菌と悪玉菌に分けられ、からだにいい影響を与えるのが善玉菌で、悪い働きをするのが悪玉菌。
ですが、体内でいちばん数が多いのは善玉と悪玉のどちらにも属さない日和見菌という菌。善玉菌が増えれば善玉菌のように働き、悪玉菌が増えれば悪玉菌のように働くタイプの菌です。
腸内細菌の状態の良し悪しは多様性とバランスで決まります。腸内細菌はなるべく多様、つまり種類が多ければ多いほどいい。健康な人ほど腸内細菌が多様性に富み、病気の人はひどく偏ったパターンを示すことが多いのです。
ですから、最近の健康ブームでよく耳にするような、「○○菌や○○株などの特定の菌だけを増やそう」という健康食品やサプリメントには注意が必要です。
そしてひとつ重要なのは、この世界に存在するすべてのものには意味があり、悪玉菌の働きも必要だということ。悪玉菌をすべてなくしてしまうと、善玉菌はサボって働かなくなることがわかっています。善玉菌をきちんと働かせるためにも、悪玉菌の存在が必要なのです。悪玉菌がいても、それ以上に善玉菌がいる状態にすればいいのです。
腸内細菌は免疫を活性化させ、感染を防ぐ
腸内細菌の状態がよい、ということは主に以下のようなメリットがあります。
◉病原菌の侵入を防ぐ。
◉食物の消化、吸収を助ける。
◉有害物質(農薬、添加物、発がん性物質、放射性物質など)を分解する。
◉免疫を活性化させ、感染を防ぎ、炎症、アレルギー性疾患などを抑制する。
このように、腸内細菌は人の健康を根本から支えています。
新型コロナウイルスへの感染予防対策は、やはり腸内細菌を整えることにあるのです。
<新刊紹介>
『感染を恐れない暮らし方 新型コロナからあなたと家族を守る医食住50の工夫』
(講談社)
定価:1650円
著者:本間真二郎
ISBN 978-4-06-520424-5
「感染しない」「発症させない」「重症化させない」――新型コロナからあなたと家族を守るためにもっとも大切なことは、「免疫力」と「自然治癒力」を生活のなかで高めていくこと。米国のNIH(アメリカ国立衛生研究所)出身のウイルス学研究者で那須烏山の自然派医師が実践する自然に沿った暮らし方で、感染を遠ざけ、万一感染しても追い出す力を備える。
第1回「【コロナと共生する知恵】手の洗いすぎ、消毒のしすぎは感染リスクを高める恐れも」はこちら>>
第3回「医師が提唱「ウイルス感染症で薬に頼るべきでない理由」」は6月11日公開予定です。
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