別れた夫婦が、一緒に育てたペットも子供もいないのに離婚後も仲良くするって、稀なことではないでしょうか。でも今回取材した洋子さんご夫婦は、離婚した後の方が絆が深まり、転勤族の進一さんと長く細く繋がり続けて10年。再婚まで果たしてしまったのです。

洋子さん40歳、進一さん42歳。大学時代にプロポーズされて最初の結婚。その後離婚したものの、36歳で再び復縁して夫婦に。


震災のとき「大丈夫だった?」と電話をくれて
 


―実は離婚して復縁するカップルは珍しくはないのですが、折々に連絡を取りあっていてその後に、っていうのはたぶんかなりレア!

さかい:どうしてそんなことに……(興味津々)。そもそも私なら元彼とも友達にはなれないんですけど(誰も聞いてないか)、洋子さんは付き合っていた相手と別れても仲良くできるタイプだったんですか?

洋子さん:いえ、私も他の人とは連絡も取ってないです。だけど進一さんは、何と言うか、間違った方向に情に篤くて。震災の際も、「大丈夫だった?」って電話くれたときに「本棚がひっくり返っちゃって大変だったから、電子書籍に切り替えようかなと思ってる」って話したら、まだ出始めだったころの電子端末を送って来たし。「この部屋築年数古くてすきま風で寒いから、ホットカーペット買おうかな」って言ったときも、突然ホットカーペット送って来たんですよ。

―サンタさんというか、もはや実家のお父さん……(笑)?

ホットカーペットは、「もう買っちゃったよ」と言ったら、「じゃあ返品してギフト券に換えなよ」と言ってくれたそう。

洋子さん:お金に執着しないで気前良く使っちゃうタイプなんですよねえ……。

でもこの「情に篤い」は、洋子さんだけでなく、もちろん浮気相手にも発揮されるわけで、「付き合う前に長所だと感じたところが結婚したら短所になる」という俗説(?)は、的を射てるんだなあと思わせられたのですが、その話はまた後ほど。

さて、「10年愛」というとすごくロマンティックに聞こえるけれど、その10年間はお互いに他に付き合った相手もいて、だからこそいい関係を保てたということもあるようです。


外見が好みだとがんばりすぎて疲れてしまう
 

洋子さんが離婚してから交際したのは、「見た目はすごく好きだけど、中身が残念」な男性。

洋子さん:かっこいいから一緒に外を歩いているときはいい気分になれるんだけど、モラルの低さとかにたまに「ん?」と思うときがあって……。外見が好みだからこっちががんばり過ぎて、疲れちゃったんですよね。

結局、3年くらい付き合ってたんですけど、あるとき私のバツイチの友人の話をしていて、「男性ってバツイチ女性と付き合うのはいいけど、結婚して親に紹介するのは微妙みたいだね」と言ったら、「まあ俺もな〜」ってそこに乗っかって来て。それで「私、何でこの人のためにがんばってるんだろ」って思って、別れました。今の旦那さんは顔が好みとかではないため、変に気を使わず自然体で居られるも、すごく楽なんです。

大学時代にプロポーズされそのまま結婚してしまった洋子さんは、社会人になってからの恋愛経験は皆無。だから離婚後に「顔は好みだが中身が残念」の彼と付き合ったことで改めて夫の方が「まっとうだな」と思えたのは良かったとおっしゃいます。なるほどね〜〜〜〜。他を経験したからこそわかる有り難みみたいなのって、ありますもんね。そして外見が好み過ぎると疲れちゃうのも、何となくわかる。愛せる外見かどうかは大事だけど、それよりもっと大事なのは、毎日安心して暮らせることですよね(と、自分に言い聞かせる笑)。

さかい:ところで、相手の不倫が原因で離婚したのに、その相手と再婚してフラッシュバックで苦しんだりしないんですか??

洋子さん:もう少し早く再婚していたらフラッシュバックはあったかもしれないけど、10年も経ったからこそ、もうリセットされて気にならなくなりました。まあでも、ケンカしたらついつい持ち出しちゃいますけどね。

さかい:持ち出すんだ(笑)。

―実は「情に篤い」進一さんは、今でも元不倫相手と普通に連絡を取っているそうで、その辺のモヤモヤ話と、最終的に進一さんとどうやって再婚することになったか。そしてその再婚生活は幸せなのか。話は次回に続きます。

イラスト/いとうひでみ
構成/川端里恵(編集部)

 

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