ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載。今回は、一度離婚した夫ともう一度結婚したという驚きの再婚パターン!
大学時代にプロポーズされて24歳で最初の結婚
今回のご夫婦を、晩婚と呼んでいいものかどうか。だけど、離婚して「10年後もお互いひとりだったら再婚しようね」と言っていて、本当に10年後の 36歳で再婚したというから、よっぽどの縁があるふたりなんだと思うのです。
顔立ちのハッキリした美人、洋子さんが、同じく濃い顔の進一さんと最初にプロポーズされたのは、大学4年生のとき。
さかい:えっ、早くないですか?
洋子さん:そうなんですよ。彼は同じ大学のひとつ上の先輩で、就職が決まったのが転勤が確実にある会社だったんです。すでに転勤することも決まっていて。まだ付き合いだして1年目だったんですが、「結婚してついてきて欲しい」と言われました。
洋子さんがそんなに若くして結婚を決めたのは、交際1年目で盛り上がっていたこともあったけれど、実はちょっとした打算が。それは、大学院に進みたいけれど学費がなくてどうするか迷っていた洋子さんに、彼が「赴任して何年か後には東京勤務になるから、そのときに大学院に入れば?」と言ってくれたから。
打算というより、渡りに船、というところでしょうか。
夫が単身赴任先で現地妻を作っていたことが判明!
結婚が決まってから、先に進一さんがひとりで赴任して遠距離恋愛を1年続けたあとに結婚したのですが、その遠距離恋愛の間に、進一さんには現地での浮気相手ができていてしまったのです。――これって遠距離恋愛や単身赴任で良く聞く話だけど、男性って、そんなに近くに女性が常にいないとダメな生き物なのか(怒)??
洋子さん:(苦笑)。相手はその土地の仕事関係の相手で、向こうからのアプローチに押されて関係を持ったみたいです。彼も、友達もいない知らない土地で社会人になって、仕事もうまく行かなくて大変だったみたいで。
そんなことは知らずに結婚してしまった洋子さんですが、結婚後に浮気が発覚。即離婚を考えたのですが、周りの友人たちからは「別れないほうが得だよ。結局愛人と奥さんだったら、奥さんのほうが立場が強いから」というアドバイスが多く、一度は思いとどまって、夫婦関係を再構築することにしました。
洋子さん:それなのに、浮気相手の女性から夫に連絡が続いていて。頭に来て、「切れないならそっちとくっつけばいいでしょ!」ってなって、結局離婚してしまいました。
離婚したのに前より仲良しになった「おかしなふたり」
このふたりのおかしなところは、子供が居ない夫婦が夫の浮気が原因で離婚したら、普通は恨んだりして疎遠になるものなのが、なぜか憎しみもなく、離婚してからどんどん仲良くなったこと。
東京の実家に戻った洋子さんと、赴任先にいる夫で離婚に向けて両家の親を説得しているうちに、ふたりの間には、妙な団結力が生まれて来ました。
洋子さん:元々ラブラブというよりは友達っぽいノリのふたりだったから、ひとつの目標に向かって一緒に作業している感じで、絆が強くなって仲良くなっちゃったんですよねえ(笑)。友達に戻ったような感覚でした。
お互いに映画好きで、映画の話なら延々としていられる仲。さらに海外でパスポートを出したときも「兄妹?」と聞かれるほど、顔も似ているといわれるし、字も似ている。そんなふたりだったので、離婚してからも良き友人として付き合っていたそう。
さかい:それってすごいレアケースですよね…!
洋子さん:友達よりも家族みたいな存在だったから、自分では離婚後も仲良くしていることに対して異常だとは思っていなかったんです。彼は転勤族だったから、震災のときには心配して電話をしてきてくれたり、常にお互いのことを気にかけているような関係で。だけどお付き合いした男性に話したら、すごい不快感を示されたので、それでようやく、連絡を取るのを一旦は止めました。
そんなふたりが離婚後の「10年愛」を貫いて(?)、どうやって再婚することになったのかのお話は次回に続きます。
構成/川端里恵(編集部)
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