ご存知のようにコロナ禍に加え、警官による人種差別と残忍な行為により死亡に至ったジョージ・フロイド氏の事件をうけ、現在全米で抗議デモや暴動が起こっています。
そんな中、L.A.にあるカトリック系女子校イマキュレート・ハート高校に贈った動画メッセージの中で、王室離脱後初めて公的に姿を見せたメーガン妃。この学校は実はメーガン妃の母校。卒業を迎えた母校の後輩たちへメーガン妃が語った言葉とは…?
自らの経験をも明らかにしながら、次世代の後輩たちへ語った熱い想いを、私の解釈で偏見を与えてしまうより、まずは皆さんに読んで感じて頂いた方が良いと思いましたので、メッセージの日本語訳を公開いたします。
後輩たちへのメッセージ全文
「イマキュレート・ハート・ハイスクール、2020年の卒業クラスの皆さん。卒業にあたり、貴方たちへ何か言葉を贈ろうと、この2週間考えていました。
そんな時、先週私たちの国、L.A.のホームタウンで起こったこと(抗議デモや暴動のこと)はとても衝撃的でした。私が一体貴方たちに何を言えばいいのか分かりませんでした。正しいことを言いたいと思うと同時に、言うべきでない?もしくは批判を浴びるかもしれない…ととてもナーバスにもなりました。
しかし唯一間違っていることは、何も言わないことであると気づいたのです。
なぜなら、ジョージ・フロイドの命はとても大切なものです。ブレオナ・テイラーやフィランド・カスティーリャ、タミル・ライス(全員警察によって不当に殺された黒人達)の命も。 すべての人たちの命が大切なのです。
私は、高校2年生の頃の自分を思い出していました。
皆も知っているように、卒業に向けた必修科目として15歳の2年生でボランティアワークをしますよね。その当時の先生の1人がボランティアをした日の最後に私に言ったんです。
『自分自身の恐れよりも、他の人が求めていること、それを優先することを覚えていて』と。
その言葉は、これまでの私の人生の中で常に頭にありましたが、先週ほどそれを強く考えたことはないでしょう。
だから、まず私が最初に言いたいのは、これから大人になる貴方たちがいまだこんなことが現実に起こってしまう世の中で生きていかなければならないことを申し訳なく思っている、ということです。
ーーそれはボランティアワークをおこなった数年前のこと。私がイマキュレート・ハート・スクールに入学し11歳か12歳だった秋、L.A.では人種差別による愚かな行動が引き金となった暴動が起こっていました。夜間の外出禁止令が出て急いで車で帰宅しているとき、空から灰が降っているのが見え、煙の匂いがして、建物から煙が大きくうねっているのが見えました。そして建物からバッグを持って飛び出してくる略奪行為を見たんです。
また、車の後ろで銃やライフルを抱えた男たちも見ました。彼らは家に向けて引き金を引き、それまでそこにあった木が丸焦げになったことを覚えています。これらの記憶が頭から離れることはありません。
今17歳、18歳の貴方たちが、似たような経験をしなければならないことが信じられません。このような事実を理解しておくことは大切ですが、それは歴史的教訓としてであって、過去と同じような経験を再び繰り返すようなことがあってはいけないと思っています。
私たちがこの世界を貴方たちにふさわしい場所にしてこれなくてごめんなさい。
もうひとつ私の記憶に残っているのは、その当時人々が一体となっていたこと。私たちが今目にしている、ミシガン州の保安官やバージニア州の警察長と同じようにね。
私たちは、団結して立ち上がる人々を目にし、声をあげるべく結束するコミュニティーを目にしています。貴方たちもその仲間入りしようとしています。
わかっています。この卒業式が思い描いていたものではないだろうし、想像していたようなお祝いでもなかったことを。
でもこれを何かの終わりと捉えるのではなく、貴方たちがこの4年間学んだ知識や価値観、スキルを生かせる新たな始まりだと考えるのです。
今、貴方たちのすべての知識が役に立つとき。そして今貴方たちは立て直しに向けたメンバーのひとりです。時に、一体何度再建しなければならないのか?と言う人もいるかもしれません。でも、再建して再建して再建するのです、再建されるまで。なぜなら、基盤が崩壊してしまうことは、私達自身の崩壊を意味してしまうから。愛と思いやりの心で、そして声をあげて、貴方たちが導いていってくれることを期待しています。
貴方たちはこれまで以上に強く声をあげることができるでしょう。なぜならほとんどの皆さんが現在18歳かもうすぐ18歳になるはずです。ということは投票に行くことができますよね。
貴方たちは、同じレンズでだけで世界を見ていない(多種多様な)人々に対して共感できるはずです。だって私たちの学校、イマキュレート・ハートでの教えは、多種多様に、活気に満ちて、柔軟。だから皆さんは黒人の命がとても大切だということを理解していますよね。
貴方たちが世界の中でどんなことをしてくれるのか、私は今から既にワクワクしています。貴方たちにはもう必要なものは揃っているし、準備も出来ています。私たちには貴方たちが必要。貴方たちを同窓の仲間と呼べることが嬉しいですし、今後の活躍が楽しみで仕方ありません。
ずっと皆さんのことを応援していることを、どうか覚えていてください。心から貴方たちのことを誇りに思っています。そして今日のこの日が、我らが渇望しているリーダーとして世界を変える始まりの日になります。レディーたち、ご卒業おめでとうございます!そして貴方たちの行動に前もってお礼を言っておくわね、ありがとう」
後輩となる卒業生たちへ、20年前の自分を投影させ、未だ同じように残忍な事件が起こっている現状を憂い、謝罪をされたメーガン妃。自身の辛い体験を振り返りながらもポジティブに、よりよき明日を作るべく、次世代の後輩たちに対する期待と応援の気持ちが込められたメッセージは、とても素晴らしく感じましたが、活動家のような印象を受けたのも事実でした。
それを良し悪しで判断することはできませんが、少なくともこれまでメーガン妃が通ってきた人生を考えると理解もできるような気もします。
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