「お金のプロの方は、お金についてどんなふうに考えているの?どうつきあっているの?」というミモレ編集部の疑問から生まれたインタビュー企画。マネー業界のトップの方々に「お金の価値観」についてじっくり伺っていきます。ご登場いただくのは、40代でマネックス証券社長に抜擢され話題になった清明祐子さん。コロナショックのあとのマネー事情について、マネーコラムニストの西山美紀とミモレ編集部員の片岡が話をじっくり伺いました。
<今回お話を伺ったのは……>
清明祐子さん
2001年に大学卒業後、新卒で三和銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。2006年からMKSパートナーズ(プライベート・エクイティ・ファンド)の参画を経て、2009年2月にマネックス・ハンブレクト(2017年にマネックス証券と統合)に入社し、2011年に同社社長に就任。2019年4月よりマネックス証券代表取締役社長(現任)、2020年1月マネックスグループ代表執行役COO(現任)。
――コロナショックをきっかけに、ネット証券の口座開設が増えたと聞きます。マネックス証券さんではいかがでしたか?
清明祐子さん(以下敬称略):はい、若い方含め、男性女性問わず口座のお申し込みが増えていますね。特に外出自粛だった期間は、ネットで簡単に口座が開設できるところにメリットを感じていただけたようです。
また、すでに口座を持っていらっしゃって、投資をしばらくお休みされていた方が再開されたケースも多いです。
――在宅時間が長く、投資について調べる時間もあったかもしれませんね。
清明:そうだと思います。在宅勤務の方は、休憩時間に調べたり、株価を見たりという時間もできたのかなと思いますね。
株価が大きく上下したので、タイミングを考えて短期で売買する方が増えました。一方で、調べる時間があったので投資信託の積み立てなど、じっくりと長期で資産を増やそうと考える方も多く見られました。
2020年1月にリリースした、投資信託を毎日(毎営業日)100円から少額で積み立てできる「毎日つみたて」というサービス(NISAやつみたてNISAは今年秋にこのサービスが利用できる予定)が大変人気で、たくさんのお申し込みをいただいています。
100円という、ちょっとしたお釣り感覚で始められて、うまくいけばリターンも得られる。そういったところが喜ばれていますね。
――3月ごろコロナショックで大きく株価が下がったときに、混乱はありませんでしたか?
清明:レバレッジをかけて(※少ない資金で大きな金額の取引をすること)投資をしていると、大きなショックがあったときにマイナス幅が大きくなりすぎて、一旦手じまいせざるをえない(※投資資金を失うなどにより投資ができなくなる)ケースもあるのですが、個人投資家の方はリーマンショックでの経験を活かした方が多かったのか、今回のコロナショックではそういう方は少なく、それほど混乱は見られませんでした。
弊社でも「相場が下がった局面の分析と見通し」などHP上や動画セミナーなどでタイムリーにお伝えしていまして、手前味噌ですがお客様のお役に立てているのかなと思っています。
――マネックスさんでは、動画セミナーをたくさん配信されていますものね。家にいる時間が長くなった今こそ、マネーリテラシーを高めるチャンスかも……。
清明:はい、ぜひ売買する場だけではなく、情報源としてもマネックス証券のウェブサイトやYouTubeチャンネルを活用していただけたらと思います。
情報を得やすい時代となって、長期で投資をする方が増えているのも特徴的です。コロナショックなどで相場が下がると、怖くて株などを売ってしまう方もいるかもしれませんが、逆に長期的な視点で相場を見れば買うチャンスだと考えて、今回投資を始めた方が多かったのかな、と感じます。
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