ストレスの緩和や悩みの解消に役立つ瞑想法として、ここ最近ブームとなっているマインドフルネス瞑想。心を無にするってこと? と単純に考えてしまいがちですが、しっかりと効果を得るためには正しい知識を持つことが大切だと『図解 マインドフルネス瞑想がよくわかる本』の監修者、有光興記さんは本書で伝えます。
いまこの瞬間に起こっている感覚や感情を、ありのまま受け入れるマインドフルネス。そのような状態になるためのマインドフルネス瞑想は、悩みのループから脱し、日々を軽やかに過ごすための心強い味方になるはずです。
マインドフルネス瞑想はなぜ有効なのか、まずは私たちがもっている2つのモードと瞑想の役割について、本書から特別に一部抜粋してご紹介します。
効果が科学的に実証されているマインドフルネス瞑想
マインドフルネス瞑想が心身の安定に効果を発揮することは、科学的に実証されています。
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)には社交不安症、不安、抑うつに効果があるという医学的なエビデンスがあります。
また、マインドフルネス瞑想時の脳機能を調べた検査では、安静時に働くデフォルト・モード・ネットワークが活性化し、不安や恐怖に関わる扁桃体と島皮質の活性が下がるという結果が出ました。瞑想時は脳の働きが安静化して認知処理機能が休まり、同時に不安や恐怖が生じにくくなっていると理解してよいでしょう。
悩み苦しむのは「ドゥーイング・モード」のとき
欲求にとらわれ、悩みを深めていく人は、つねになにかを考え続けています。ひとつのものごとに直面したとき、それが「こうあってほしい」という思いを抱え、そのために「どうしよう」と考えはじめて、止まらなくなるのです。
このように、つねになにかを考えたり、行動しようとしたりしている状態を「ドゥーイング・モード」と呼ぶことがあります。多くの人がふだん、無意識にこのモードになっています。
ほとんどの人は日頃あまり意識していませんが、人間は目をさましている間、たえまなく考えています。そして多くの場合、その考えは目の前にあることだけでなく、過去の出来事や将来の予定などにも向いていきます。
考えごとをしながら作業ができることにはよい面もありますが、人は考えたくないときまで、あれこれと考えてしまいます。ものをみれば自動的に考えが生まれ、それが心の働きを曇らせるのです。
<ドゥーイング・モードになってしまう4つの段階>
① オートマチックな思考
考えはオートマチック(自動的)にわき出てくるもの。たとえば会議の時間がせまってくると、無意識に「失敗しないだろうか」などと考えてしまう。
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② 過去と未来にとらわれる
自動的に出てきた考えにとらわれ、「失敗しそうだ」「以前にも失敗した」などと過去や将来のことを考え続けてしまう。
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③ 「いま」から離れてしまう
過去と未来にとらわれ、会議を必要以上におそれる。準備万端で体調もよく、相手が笑顔でも、いまこの瞬間に起きていることに気づかない。
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④ ドゥーイング・モードに
考えることが止められず、それによって不安などがつのり、早口になる、逃げ出すなど、行動まで影響されていく。それがドゥーイング・モード。
生きていくうえでは、よく考えることも重要ですが、このモードのときには悩みが生じやすいという特徴があります。
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