ストレスの緩和や悩みの解消に役立つ瞑想法として、ここ最近ブームとなっているマインドフルネス瞑想。『図解 マインドフルネス瞑想がよくわかる本』の監修者、有光興記さんは本書で、自己流の瞑想は、かえって害になることもあると警鐘を鳴らします。
科学的にもその効果が実証されているマインドフルネス瞑想を正しく活かすために、今回は本書から日常生活に即した3つの瞑想法を特別に一部抜粋してご紹介。「食べる・飲む瞑想」「呼吸の瞑想」「歩く瞑想」と、初心者の方にも取り入れやすいものばかりなので、ぜひ今からでも始めてみてくださいね。
瞑想には集中力が必要です。はじめての挑戦は疲れきった夜ではなく、朝や昼間がよいでしょう。集中できる時間帯を選んで、まずは1日10分間の瞑想を2~3週間続けてみてください。それくらい体験すると、実感がつかめてきます。
マインドフルネス瞑想にはいくつかの種類があります。本記事を参考に実践し、自分に合うものを探してみてください。ひとつの瞑想をくり返すよりも、いくつかの瞑想を組み合わせたほうが、意識を変えやすくなり、気づきを得やすくなります。
ものをゆっくりと口に運ぶ「食べる瞑想」「飲む瞑想」
はじめに紹介するのは、食べる瞑想・飲む瞑想です。いつもなにげなく食べているものや飲んでいるものを、ひと口ずつ、ゆっくりと口に入れていきます。よく観察し、色やにおい、味わい、食感を感じながら食べたり飲んだりすると、ふだんはあまり意識していなかった、自分の心の動きがみえてきます。
食べる瞑想は、まずレーズン1粒からはじめましょう。1粒に意識を集中すればよいので、品数の多い食事に比べて簡単です。レーズンの色や形などを感じるのと同時に、食欲がわく瞬間にも気づきます。その食欲を放っておいて、感覚に意識を向け続けます。
<食べる瞑想・飲む瞑想の基本手順>
① レーズンを用意する
市販のレーズンを1粒用意し、皿などに入れて目の前に置く。
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② 手にとって観察する
レーズンを指先でつかみ、色や形、感触をじっくり観察する。感じたことを心にとどめる。
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③ 食べたい気持ちを感じる
観察していると食欲がわいたり、口のなかに唾液が出たりする。食べたいという欲求に流されず、瞑想を続ける。
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④ ゆっくり食べる
レーズンを顔の前にゆっくりと運び、においを感じる。口に入れたら1回かむごとに異なる感覚がすることに気づき、実況中継する。
レーズン1粒の食べる瞑想に集中できるようになったら、別のものでも実践してみましょう。朝食のトーストや、お茶などの飲み物でも瞑想ができます。上級者になると、ひとりで食事をするときにはどんなメニューでもできるようになります。
食べる瞑想や飲む瞑想では、五感を働かせて飲食物を楽しみながら、同時に「食べたい」「飲みたい」といった欲求を放置する経験ができます。それをくり返すことで心の働きが整理され、無意識に食べすぎたり、食べ物を過度に選り好みしたりすることが減ります。そして、食べたり飲んだりすること自体が楽しくなります。
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