――恋愛をする時のときめきポイントはありますか?例えばビジュアル面とか……。

 

外見の好みに関しては、統一性はないと思います(笑)。
素敵だなと思う時には相手のお仕事にも興味が湧くし、曖昧な答えにはなりますけどフィーリングも大事だし。理屈を超えた部分というか。
やっぱり感覚をシェアできるって大きいですよね。どんな思想を持って生きているか、そういうものって滲み出るから。物事の楽しみ方だったり、言葉の扱い方だったり、好きな映画や音楽だったり、小説だったり、ファッションだったり……その人をつくりだすものに興味が湧きます。

あ、でも今は相手に何かを求めるというよりも、自分らしくいられる人がいいなと思っています。こうあってほしいという理想があるというよりも、相手に無理に合わせたりせず、正直な自分のまま過ごせる人。
自分を偽って空気を読んだりせず、心のままに向き合える人。私、割と順応性が高いので(笑)、相手に合わせることもできるんだけど、でもそうやって自分の気持ちを誤魔化した関係には限界があるんだなと、この年齢になってやっと身に染みたというか。

息子が「ママって家だと超面白いのに、なんで外だと真面目なの?外でもそういう感じでいればいいじゃん」ってよく言うんですけど、確かに息子といるときが一番自分らしいなと思う。親といる時ともまた違う、子供にしか見せていない顔や状態があるのかな、って。自分でもすごく居心地がいいし、もう高校生だから対等に話もできますしね。

そう、だから自分がリラックスした状態で一緒にいられる人がいいな。言いたいことを素直に言い合える人。それは簡単なようで、すごく難しいことだから。だって、やっぱり相手の顔色を見て飲み込んでしまったりするじゃないですか。でもそれは、相手を思いやってるようでいて、逆に相手のこと裏切っていたのかなって、今になると思ったりします。
例えケンカになったり、その場が険悪な雰囲気になったとしても、正直な気持ちを偽りなく伝えることの重要性を痛感しています。信頼関係をつくる意味でも、自分の気持ちに嘘をつかず、更に自分自身もリラックスして相手に委ねられたら最高だなと思います。

 

――リラックスした状態でいられる人となると、友達感覚でいられる人がいいのかなとも思うのですが、恋愛対象になる人と男友達の違いはなんでしょうね?いろいろ魅力的な男性のお友達がいそうですよね!?

芸能の世界に生きる男性って、どこかで女性の目線も持ち合わせている人が多いから、話していて面白いんですよね。
サシ飲みする仕事仲間も何人かいるけど、色恋は完全に抜きで、ほぼ仕事に繋がる話しかしない。あの舞台が面白かった、この映画は観るべきだよとか、結果的に創作に繋がっていく会話しかしてないけど、それが心地良くて好きです。
同業者同士でしか分かち合えない感覚って絶対的にありますからね。そこに具体的な恋愛感情を持ち込むのは避けたいって、みんなどこかで意識はしているのかもしれない。

友達や仕事仲間から恋愛に発展する境目って難しいですよね。恋愛になると関係が一気に複雑になるじゃないですか。それまでは気楽に誘い合って、互いの仕事のことや、最近のトピックをシェアしながら一緒に大笑いしていたのに、帰り道に酔った勢いでキスなんかしたら、それまでの関係は失われてしまう。
もちろん、友人としてリスペクトしてる関係から、良い形で恋愛関係に進んだら、それはそれで最高だけど、うまくいくことばかりではないですからねぇ。失ってしまうものの大きさを考えると尻込みしてしまう。
年齢もあるんですかね、そういうことを考えてしまうこと自体が煩わしくなって「この人が女の人だったらよかったのに」って思うことが増えて。そしたら別れることなくずっと一緒に楽しくいられるのにって。
ただ、こうやって理性が働く時点で、ときめきとは違うのかな、やはり。

――穏やかな関係にも最初はときめきが必要だと思うと、“大人の恋愛”の始まりって難しそうですよね。

この前もママ友とランチをしていて、みんな「ときめきたい!」って言ってました(笑)。
私は独身だから「今からまた恋愛できるなんて羨ましい!」って言われたけど、でも、恋に落ちるタイミングって誰にもわからないものだから。どんなに策を練ったとしても、結局のところ、初動は圧倒的にピュアなものが勝ってしまうんだよなぁ。
……それにしてもこの話、シラフでする内容じゃなかったですね(笑)。

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撮影/若木信吾
スタイリスト/斉藤くみ
ヘアメイク/北一騎
取材・文/細谷美香
構成/片岡千晶(編集部)


 

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ノーブル 日本橋店 tel. 03-5205-8720

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