テレビやラジオ、イベントなど幅広く活躍する、話すこと・聞くことのプロであるフリーアナウンサー安田佑子さんが「オンラインでのプレゼンを成功させるマインドセット術」について解説します。
当面の間、プレゼンテーションは、①マスク越しのリアルプレゼン
②画面越しのオンラインプレゼンになりそうです。あなたがプレゼンターで、選べるとしたならどちらを選びますか? もし、プレゼン自体に自信がなく、相手が初めてのクライアントなら、②をおすすめします。①は、自分がマスクをしていることよりも、聞く相手もマスクの可能性が高いのが気になります。もともとお知り合いの方ならマスクをしていても安心できる部分があると思うのですが、初対面だと表情が読みづらいからです。
たった半年の間に、オンライン会議がもう特別なものではなくなったのを実感します。私もオンライン上でしかお会いしたことのない方が増えてきて、「いつかリアルでご挨拶させてください!」が会議を退室する時の挨拶になっています。
今回はオンライン会議で、ひとりで話し続けるプレゼンターになった時の“マインドセット”について、プレゼン前、プレゼン中に、悪い緊張を1秒たりとも頭に取り込まないために何を意識すればいいのか、具体的に何ができるのか考えます。最新Zoomの機能も試してみました。プレゼンは発表会ではありません。相手の心を動かして、実際に行動してもらうのが目的です。自分が少しでも話しやすい条件に環境もマインドもセットすることで、あなたのチームの大切な企画がより相手に伝わりますよ。
リスナーの「いい反応」はボーナスと考える
リスナー達はマイクオフ、目もなかなか合わないですから、プレゼンターはリアルよりも孤独に感じるのがオンラインです。そのため、リアルプレゼンよりも嫌な緊張をしたり、早く終わらせたい一心で早口になったり、適当になってしまったりしがち。さらには、「移動時間ゼロ」のメリットの裏返しで、会議が終わった後の帰り道に誰かと話す機会がありませんから、プレゼンターは自分で勝手にダメだった、失敗だった、と落ち込んだりします。孤独に感じるのも、嫌な緊張も、ダメだったと判断したのも、全部自分の思い込み。ここはマインドセットを工夫してみましょう。
まず、「ひとりで話している」けれど孤独ではありません。リスナーの反応がないだけです。プレゼンターとしては「リスナーは反応が薄いもの」というマインドセットでいることが大切。大きくうなずいてくれて、場を盛り上げ、質問も活発に投げてくれるいいリスナーもいますが、それはボーナス、今日はラッキーだと思ってください。ほとんどの人は真面目な顔か、下を向いてあなたの話を聞いています。この人たちを反応させよう!というエネルギーを出してプレゼンをすることは大切です。カメラを見てばっちり目を合わせるのもいいと思います。ただ、それでも反応がなかったからとガラガラと崩れていかないようにしましょう。あなたがプロジェクトを成功させようと力を注いだ内容です。相手のポジティブ反応にはノっていき、ネガティブ(に見える)反応は流す。あとはベストを尽くして伝えるのみです。そして、プレゼンの出来栄えについては、自分で判断せず、同僚や上司にフィードバックをもらいましょう。
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