ご近所さんと恒例のワインテイスティングの会を。
今回のブランインドテイストで持ち寄られたワイン。

皆さん、ゲートコミュニティという言葉を聞いたことがありますか?
アメリカに在住した経験のある方、映画やテレビなどで聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

 

いわゆる敷地の出入り口にゲートがあって、警備員の人が出入りする人を監視していて、その中に個人の家々がある、というエリアのことをいいます。
ゲートコミュニティというのはアメリカで始まって、今や世界中に、東京などでも数カ所ありますよね。

事前に訪問者を警備会社に申告しておかなければならないようなところもあります。
安全を求めてゲートコミュニティに住むのが基本です。
ゲートをくぐればそこは私有地なので、管理する会社とコミュニティ内で選ばれた運営会のようなメンバーで、敷地内のルールを決めます。警備、ゴミ処理、共有地の整備管理などは、すべて各家が払う共益費で行われます。

ただ、このゲートコミュニティの厄介なところは隣人とのお付き合いです。
引越ししてすぐ、焼き立てのパイを持ってドカドカと他人の家に入ってきていろいろなことを探り出そうとする隣の家の主婦、グループに属していない人を除け者にするキレイなブロンドの運営会長の女性……よくアメリカのテレビドラマに出てきますよね。

私が今住んでいるポルトガルの家も、いわばこのゲートコミュニティです。
ワイン畑の中が6ブロックに分けられて、各ブロックに7〜8軒の家があります。
ほとんどの人はここを別荘として使っています。住人はおそらく2軒くらいですが、このコロナウイルスのせいで、3月からずっと滞在している人や、新たにここを拠点にしようとしている人がたくさんいます。

別荘として使っている、顔を合わせることもなかった人たちが、突然隣人になるのです。
ゴミの容量だって増えますし、新しく引っ越してきた人のゴミの出し方が大問題になります。共有地をレジャーバイクで走りまわるティーンネイジャー、隣人の家のプールの上でドローンを飛ばす、ペットの犬が夜な夜な吠える、など大勢の人がいればいろいろなことが起きるのです。

笑えるのは、プールサイドやカクテルタイムに隣人のスピーカーから聞こえてくる音楽。フランスのジョニー・アリディという歌手の「こんな音楽、今どき聴く人がいるのか?」と思うような曲が、風に乗って流れてきます。

 
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