ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載。前回に続き、47歳で再婚した亜利沙さんのお話です。

頑固者の九州男児を手なづけ、良き伴侶に改造するまで【晩婚さん体験談】_img0
亜利沙さん47歳、哲也さん49歳。今年結婚したばかりの新婚さん。長年仕事関係の知り合いだったふたりが、ある日突然の哲也さんの告白によって恋人同士に。


衝突ばかりの同棲生活から結婚に踏み切ったきっかけとは


20代でバツイチになり、その後キャリアでは自分の会社を起こして経済的にも自立しているアラフォー女性。そんな状態だと結婚なんて今更面倒だと思ってしまいそうな気がしますが、それでも亜利沙さんが、自分を立ててくれないと拗ねる、短気な哲也さんと再婚したかった理由とは何だったのでしょう。

 

亜利沙さん:今はまだ自分も元気で居られるけど、将来を考えたら、パートナーが居た方が経済的にも精神的にも、人生豊かになるんじゃないかと思ったんです。40代に入って、今までいろんな男性と付き合ってみて結局誰と付き合ってもあまり変わらないなって思ったのも大きかったかも。
哲也さんとは同棲してみたらほんとに毎日衝突ばかりしてはいたけれど、怒りっぽい分、シンプルで素直な性格がラクだなと感じたんです。扱いに慣れさえすれば、複雑で捻くれてる男性よりも居心地がいいな、って。

それは本当にそうかも。毎日一緒に暮らすなら、何を考えているのはわからなくて変に気を回さないといけない相手よりは、単純でわかりやすい相手がいいなって、私も最近、特に強く思います。

お互いバツイチで、結婚の話が出る度うやむやにしようとしていた哲也さんが結婚に踏み切ったのは、亜利沙さんのお父様が急に亡くなってしまったこともきっかけでした。

亜利沙さん:母がずっと病気をしていて、父が看病していたんですが、その父が先に亡くなってしまって……。彼に会いたがっていたのに亡くなってしまったので、哲也さんも「まずいな」と思ったみたい。

最終的に亜利沙さんが「どうするの?」と詰め寄って入籍することに。それが今年の春。時を同じくして新型コロナウイルスのパンデミックが始まり、入籍する前にふたりは外出自粛によってほぼ毎日ふたりきりで家で過ごすようになったのです。

さかい:それまでもケンカ続きだったのに、毎日一緒だなんてキツくなかったですか?

亜利沙さん:それがね、今まで平日別行動だったのが四六時中一緒に過ごすようになったら、意外と楽しくて。ケンカも全然なかったんですよ、なぜか。たぶんお互いに、他の人たちに会えないから、今一緒に居る相手を大事にしないと、っていう気持ちが働いたんだと思います。

毎日一時間ほどの長い散歩に出かけたりして、自粛期間中を楽しく乗り越えたおふたり。そのことによって亜利沙さんは「この期間を楽しく過ごせたなら、きっと結婚生活も大丈夫」と思えたそう。

頑固者の九州男児を手なづけ、良き伴侶に改造するまで【晩婚さん体験談】_img1
 

その後ふたりは6月に入籍。


40過ぎると、ありえないと思っていた人がアリになる!?


さかい:結婚して何か変わりましたか?

亜利沙さん:それが、入籍後の方が優しくなったんですよ〜。男性って責任感を大事にする性だからか、家族になったという事実によって、態度も何だか変わった気がします。私も、「あなたがいないとダメなの」というのをほのめかすようにはしています(笑)。

さすがは「合コンの女王」と異名を取っただけのことはあり、男性の操縦術には長けている亜利沙さん。結婚相手と居心地がいい関係が築けるかどうかって、相性もあるけれど、こちら次第なところもあるのかもしれませんね。

さかい:晩婚ということで、初婚のときと何か違いってありますか?

亜利沙さん:年齢が変わると、結婚に求めるものも変わってくるんですよね。そういう意味で、彼のことは若いときなら選ばなかった相手かも。理想通り、というわけではないですし。例えば昔なら、子供を産むことを考えたら自分より稼いでなきゃイヤだとか、相手のバックグラウンドとかを気にしてた。でも今は自分が稼げるから、相手の収入なんてどうでもよくて、仕事を応援してくれる相手がいいな、とか。とにかくこの先、パートナーとしてずっと一緒に人生を歩めるかどうか、が重要。

合コン時代はあまりにも大勢の男性を見すぎてイイ男の条件がわからなくなってたという亜利沙さんは、40代になって、本当にいい人というのがわかるようにもなったと言います。

亜利沙さん:彼は情が深くて、ずっと大事にしてくれそうだなと感じました。今思えば、元夫よりずっとキレやすいんですけどね(笑)。

結局、その人のイヤな部分も受け入れられるかどうかなのかな。欠点がない人間なんて、居ないですもんね。

「ありえないと思っていた相手が、自分の年齢と経験値によって『アリ』になることって、あると思いますよ」と亜利沙さん。

晩婚を目指すなら、周りの今まで〝ナシ〟フォルダに入れてしまっていた相手を見直してみるのもいいかも。

亜利沙さん:あとは、お互いにいい大人なんで、「相手に何かしてもらう」という姿勢はやめてもいいんじゃないですかね。「私があなたを幸せにします、あなたも私を楽しませてね」、そんな、50/50の関係くらいがちょうどいい気がします。

実は今回取材した亜利沙さんとご主人の哲也さんの写真を、私は以前Facebookで見かけたことがあったのです。

私の仕事関係者の方が投稿した、同年代らしき素敵な美男美女カップルの結婚祝いの写真に、「素敵な大人カップルだな。あやかりたいものだ……」と(真剣に)思っていた私。その事実が、電話取材の最後に、似顔絵イラストのためにおふたりの写真を送っていただいたときに判明し、「あのときの……!」となったのですが、やはり周りでも、47歳で再婚した亜利沙さんは「アラフィフ希望の星」と呼ばれているそう。

同い年でバツイチの亜利沙さんのお話に、私も勇気をいただきました♡

イラスト/いとうひでみ
構成/川端里恵(編集部)

 

前回記事「衝突ばかりの彼と結婚したら、意外と居心地がよかったワケ【晩婚さん体験談】」はこちら>>