夏に目撃情報が多いのは、夏は1年の中でも流星が観測されやすい季節だからです。流星には群流星と散在流星という2つの種類があります。散在流星はまったくランダムに降ってくるものですが、群流星は彗星の軌道と関係しており、彗星の軌道に地球が近づくと、まとまった数の流星が数多く観測されます。
群流星の中でもっとも大規模なもののひとつにペルセウス座流星群というものがありますが、この流星群のピークとなるのが夏の時期なので、他の時期に比べて多くの流星を目にすることができます(夏の時期はキャンプなどを含めて、夜でも外出している人が多いことも影響しているかもしれません)。
8月26日には、再び火球が目撃されたという情報がテレビで報道され、視聴者が撮影した映像も流されました。残念なことに、いつも流星を見ている人にとっては、明らかに流星とは違うもので、ネットでも「流星ではないと思う」といった意見が多かったようです。
流星はごくわずかな時間しか発光せず、イメージ的には「シュっと光ってすぐ消える」という感じです。流れ星が光っている間に、願い事を3回唱えると願いが叶うという話がありますが、3回、願い事を唱えるのはかなり難しいというのが現実です。ところが報じられた映像では、対象物が長時間光を放っており、動きは非常にゆっくりとしたものでした。しかも夕方の時間でまだ日が沈んでいません。
流星は地球の自転と公転の関係上、深夜から明け方にかけてもっとも観測しやすくなりますから、一般的に夕方にはほとんど見ることができません。しかも、完全に日が暮れていないと太陽の光があまりにも強すぎて、仮に大きな流星が流れたとしても、太陽の光に邪魔されて見えないことがほとんどでしょう。
結局、この正体が何なのかは不明ですが、一部の専門家は飛行機雲に太陽の光が反射したものだと指摘していますし、筆者も映像を見た限りではそのように思えます。
夏の時期には、人工衛星の光を流星と勘違いしたり、飛行機の反射を勘違いするといった誤情報がよくあります。最近は都会の夜が明るすぎるので、本物の流星を見たことがないという人も増えているので、判断が付きにくいのかもしれません。
この時期は、流れ星が観測しやすいですから、夜に外出することがあったら、少し辛抱して眺め続けてください。深夜以降であれば、結構な確率で本物の流れ星を見ることができると思います。
前回記事「「エアコンの室外機に水をかけると節電」説のウソ・ホント」はこちら>>
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