ドラマ&タレント分析記事を各誌で手がけているライター山本奈緒子さんと、ドラマウォッチャーの編集者N。
長年にわたって芸能記事を企画し、当たるドラマ、ブレイクする俳優を嗅ぎ取る能力においても信頼度バツグンの2人に、ドラマの見どころや行く末について、皆様に披露してもらう短期集中連載です。

こちらはドラマの再放送を記念した人気記事の再配信です。元記事は2020年9月に配信しました。

最終回の評判も上々! 視聴者の声に答えて、ついにスペシャル版が!『私の家政夫ナギサさん』(TBS/9月8日(火)午後8:57)写真/TBSドラマ『私の家政婦ナギサさん』公式サイトより
 

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【ナビゲーター】
ライター山本奈緒子 タレントインタビューや流行事象の分析記事を専門としており、仕事柄、話題のドラマ、映画はほぼ全てチェック。女性誌「vivi」でブレイク前の若手男子を発掘する「tokyo boy cam」を連載。爬虫類顔の男性が好みで、好きな芸能人は綾野剛、Kiss My Ft2の藤ヶ谷太輔など。

編集N 究極のテレビ愛好家でドラマウォッチャー。女性誌で長年、芸能記事を担当。イケメンのジャッジにおいては人一倍厳しく、雰囲気イケメンを許さない。好きな俳優は木村拓哉と妻夫木聡。

 


最終回、最高でした!!!


山本 大人気ドラマ『私の家政夫ナギサさん』、最終回の視聴率は何と19.6%。あの社会現象となった『逃げるは恥だが役に立つ』に迫る数字でしたね。

編集N 最終回、めちゃくちゃ良かったー!

山本 うん、私、見終わった後あまりに幸せな気持ちで満たされて、ちょっと涙が出てきたもん。

編集N あり得ないエンディングだけど、ドラマの醸し出す幸せ感が素晴らしかったから、何でも好意的に見れちゃいましたよね。ラストで、タイトルの『私の家政夫ナギサさん』から『家政』の文字だけが落ちて『私の夫ナギサさん』となったときも、ベタベタな手口なんだけど、ひゃー♡、その手があったか!! とヤラれてしまいました。

山本 あれ、しょーもないドラマだったらベタすぎて完全にスルーするところだよね。

編集N ほんとほんと。それぐらい、何をやっても「いいー!!」と思えた。唯一残念だったのは、ナギサさんがメイの家に泊まったときパジャマだったこと。あれがスウェットにTシャツだったら萌えたのになあ。

山本 ええ~、ナギサさんはやっぱりパジャマでしょう。Tシャツスウェットじゃ、いつものカッコいい大森南朋になっちゃう。ここでそんな中途半端な“男”感はいらないよ。

編集N あれ? そうですか(ガックリ)。

山本 でもやっぱりナギサさんロスの声は多かったみたいで、早速翌週にスペシャルが放送されることになりましたね。一週間生き延びたわ。

編集N 予告でちょっとナギサさんとメイがケンカしている声とか流れていて、楽しみ♪


二人の結婚は果たして正解か? 不正解か?


山本 というわけでスペシャル放送を前に、メイとナギサさんの結婚が我々に残してくれたものについて考えてみたいと思うのです。

編集N そんな壮大なメッセージが込められてましたっけ??

山本 というのもね、私は“居心地の良さを重視した”というメイの選択は大正解だと思ったのだけど、ネットのコメントを読むと、二人の結婚に対する正解・不正解観て本当に千差万別だったの。「私は顔にトキメいて結婚したらマザコンで悲惨でした。当然離婚しました。メイのように中身で選ぶべきです」とか、「メイはナギサさんの働いている姿に惚れたんだから、結婚しても上手くいかない気がする」とか。周囲の女性たちに聞いても、皆、自分の置かれている環境や好みによって全く違う受け止め方をしていたんですよ

編集N たしかに、このドラマって登場人物がみんないい人で、辛い現実を一切描かない非リアルなドラマでしたけど、二人のトライアル結婚の4日間だけが妙に生々しかったですよね。「ナギサさんはどう思っているんだろう?」とか、「アナタよりおそらく早く死にます」とか、家族になるということはどういうことなのかがすごく丁寧に、時間をかけて描かれていた

山本 そうそう、それだけにみんな、自分にとっての結婚のメリットとは何ぞや?ということを無意識に考えさせられたんだと思う。私なんかはメイと似ていて仕事優先人間だから、メイ同様、「ナギサさんにこの結婚のメリットはないじゃん」と思ってしまったの。家事を全部させられることになるわけだから……。メリットがあるとしたら、「メイを好き」という思いだけだな、と。それって世の多くの女性の「好きだからやってあげたい」というのとまさに同じだよね。いわゆる、愛情の搾取

編集N はあ、そういうもんですかね。
 

 
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