コロナ禍で仕事が一気にキャンセルになり収入が激減したフリーランス歴14年の編集者。果たして、これからは正社員を目ざす方が正解なのか、フリーランスのままがいいのか、考えてみました。

 

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コロナで収入が激減!不安定なフリーランスの立場を実感


 

フリーランスの編集者になり14年。おかげさまでこれまでは順調に仕事を継続することができていました。ですが、2020年4月。新型コロナウイルスの感染拡大で、緊急事態宣言が出されたことにより、撮影が一気にキャンセルに……。手帳はほぼ白紙状態になってしまいました。
これはフリーランスになって初めてのことでした。

フリーランス編集者は自分が稼働した仕事の量が収入に直結するので、会社員のように固定給がありません。だから、コロナ禍で収入も一気に激減。前年の同月と比べて月の売り上げが50%以上減った人がもらえる国の制度「持続化給付金」にもお世話になりました。

さて、そんな事態になり、一瞬頭をよぎったのは、もう不安定なフリーランスをやめて、また会社員に戻ったほうがいいのか、というギモン。

そうなんです。フリーランス編集者になる前は、会社員として一般企業で働いていました。
そこで、なぜ以前会社員を辞めてフリーランスになったのかを考えるとヒントが見つかるかもしれないと思い、振り返ってみることにしました。


なぜそもそも会社員を辞めてまでフリーランスに転身したのか

 

会社員から編集者への転身を決意したのは、ずっと大好きだったファッション雑誌の読者モニターになったことが最初のきっかけ。編集部の方と連絡を取り合うようになり、そのうち、編集アシスタントを探していると聞いたので立候補したんです。まだ25歳と若かったこともあり、そのとき働いていた会社をすっぱりと辞め、アシスタントとして編集部に通うことに。

独立するまでは、時給制のアルバイトの形でしたし、独立してもフリーランス。立場や収入の不安定さは分かっていましたが、それよりもワクワクする方を重視。

だから、フリーランスの立場を願ったわけではなく、自分の好きなことを実現できる方法がたまたまフリーランスだったということですね。
実際に編集者の道を歩み始めてみると、とにかく楽しくて、おもしろくて。自分がやりたいと思ったことが実現でき、形になるのもやりがいでした。編集者の仕事は天職だと思いました。

でも、こう考えてみると、編集者という自分がやりたい仕事ができれば、正社員でもフリーランスでもいいのかもしれない、ということが分かってきました(実際に、私の能力で出版社の正社員になれるかという議論は置いておいて……汗)。

だったら、やっぱり安定した正社員を目ざす方がいい?


フリーランスの仕事におけるメリット、デメリットは?

 

では、このままフリーランスを続けていていいのでしょうか?実際にフリーランスとして働いてきて、メリットに感じていること、デメリットに感じていることについて考えてみることにします。

フリーランスの仕事は、メリットとデメリットが紙一重と思うことがありますいので、いくつかの点において、実例をあげて紹介してみます。

①仕事の取引先

【メリット】

自分の会社内の仕事だけという枠がないので、さまざまな取引先と、幅広い仕事ができること。
フリーランス編集者でいうと、出版社の垣根なく仕事ができることです。
私の場合、今はウェブマガジン『mi-mollet(ミモレ)』を始め、ファッション誌やファッションサイト、ファッションブランドのカタログやウェブサイト、通販カタログ、書籍など、様々な媒体で仕事をさせていただいています。仕事をくださる会社はバラバラ。だから、いろんなカラーの会社から仕事をいただき、さまざまな出会いがあり、いろんな種類の仕事ができるのは、毎月新鮮で飽きません。

【デメリット】
各取引先の仕事量によって、仕事をいただけるかどうかが左右されること。
先月はここの仕事があったけど、今月はない、ということが起こります。たとえば、その会社がカタログをつくるのを辞めてしまったら、もう仕事の発注がこなくなります。安定はしていないですね。万が一、大きな失敗をしたり、成果があげられなかったりすれば、二度とオファーをいただけないことも……。

②収入について

【メリット】

フリーランスは、自分が頑張れば頑張るほど、収入が比例して上がっていくこと。
だから、やりがいを感じやすい。

【デメリット】
今回のコロナ禍のような事態が起こると、仕事がなくなり、一気に収入が激減することもある。仕事量と収入が比例するので、収入が安定しない一方、稼ぎたいと頑張ると、休日がなくなってしまいます。


と、ここまで改めて考えてきましたが、フリーランスのデメリットがどんどん思い浮かんじゃう(笑)。

次回は、フリーランスの魅力について、もう少し考えてみようと思います。

構成・文/高橋香奈子

 

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