スキンケアに関する記事や本を見ていると、「えっ?」と思うような不思議なフレーズを発見してしまうことがよくあります。
たとえば、「洗顔後は、なるべく早く化粧水をつけましょう」というフレーズをよく見かけますが、これは明らかに「洗顔をすると、肌が乾燥する」「すぐに化粧水をつければ、乾燥を止められる」ということを大前提にしています。
洗顔とは、肌が乾燥してしまうほど危険なものなのでしょうか?
しかも、すぐに化粧水をつければ、本当に乾燥を止められるのでしょうか?
結論からいえば、どちらもNOです。
肌が乾燥するのは、角質層の水分と油分が不足しているか、角質層が傷ついて肌のバリア機能が働かなくなっているかのどちらかです。
もし、洗顔後にそんな状態になっているとしたら、たとえ1秒以内に化粧水をつけても、クリームをベタベタに塗りまくっても、手遅れです。ターンオーバー=新陳代謝によって角質層が再生されるのをひたすら待つしかありません。
また、「化粧水は、肌の水分を補うもの」と思っている人がとても多いのですが、残念ながら、それも間違いです。
私たちの肌は、自分自身を守る「生体防御」のシステムが備わっているため、決して異物を受け入れないようにできています。どんなに優れた化粧水でも、肌にとっては「異物」です。化粧水の水分がそのまま肌の水分になるなんて、ありえません。
化粧水にできるのは、角質層の表面を引き締めたり(収れん)、キメを整えたりすることだけです。
もし、洗顔後すぐに化粧水をつけないと「肌がつっぱる」「ガビガビに乾燥する」としたら、それは、肌を傷つけ、肌の水分を奪う危険な洗顔です。
そんな洗顔を毎日朝晩繰り返していたら、ダメージがだんだん大きくなり、乳液やクリームなどのスキンケア化粧品をどんなにたっぷりつけてもリカバーできなくなっていきます。
深刻な乾燥肌、敏感な肌の多くは、こうした間違った洗顔によってつくられていきます。
今はまだ、見た目に大きな変化がなくても、10年後、20年後の肌にシミやシワといったカタチであらわれてしまうかもしれません。洗顔後、すぐ化粧水をつけなければならないような洗顔は、ぜひ、今すぐに中止しましょう。
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