マネーコラムニストの西山美紀です。
少し前に、有名テーマパークを運営する会社が、約4000人の正社員と嘱託社員を対象に、今年の冬のボーナスを計画と比べて7割削減するというニュースがありました。「ついにそんな話が」とドキッとした方も多いでしょう。
これは対岸の火事ではなく、コロナ禍により売り上げに打撃を受けた会社では、冬のボーナスが減る可能性があります。夏のボーナスであまり影響がなかった方も、念のために早めに対策を立てておきましょう。
いつも冬のボーナスで払っている“大物”は?
ボーナスが出た際に、これまでどんな買い物をしてきたでしょうか。
冬のボーナスの主な使い道としては、「年末年始の旅行(帰省含む)」「住宅ローンのボーナス返済」「洋服やバッグなど、欲しかったものを買う」「家電製品の買い替え」「子どもに関する出費」などが考えられます。ボーナスを機に、車を買い替える方もいるかもしれませんし、車検が控えている方もいるでしょう。
いつもよりちょっと贅沢をしたり、大きな出費をカバーしてくれたりするボーナスですが……金額が減る、もしくはなくなる可能性もある今冬は、要注意。特に夫婦共働きで、2人ともボーナスが大きく下がってしまったら痛手です。
感染状況次第ですが、年末年始の旅行や帰省をとりやめる場合は、その費用がかかりませんが、例えば「家電製品が壊れかけて買い替えたい」「どうしても欲しいものがある」「絶対に払わなければならないものがある」という場合は、事前に対策を立てておく必要があります。
住宅ローンのボーナス返済にも注意
うっかりしがちなのが、住宅ローンの返済をしている方の「ボーナス返済」です。毎回、いつの間にかボーナスの時期に引き落とされて、返済していることすら忘れている方もいるのでは?
コロナ前、仕事の合間に銀行にお金を下ろしにいっていた方は、通帳を見る機会も多かったでしょう。ところが、最近はリモートワークが増え、キャッシュカードだけ持って近所のコンビニATMでお金をおろすようになり、入出金情報をじっくり見る機会が減っている方も多いはずです。
住宅ローンのボーナス返済がある方は、万一ボーナスが減額になったり、出なかったりした場合でも、しっかり返済できるかどうか、確認しておくことをおすすめします。
念のためローンが引き落とされる銀行口座に、ボーナス返済分のお金を入れておけると安心ですね。預貯金が少ない方は、今から3か月ほどありますので、少しずつ貯めて準備していきましょう。
通帳やクレジットカード明細で、去年の秋から冬の出費をチェック
その他、ボーナスの時期に大きな出費があるかどうかは、昨年の秋から冬あたり通帳の入出金情報やクレジットカードの明細を見ると、毎年のルーティンを思い出すことができます。
また、お子さんが私立校や塾に通っている場合、冬のボーナスで3学期分や翌年の1学期分の教育費、塾代などに使うつもりの方もいると思います。
家族の分についても、「いつもはボーナス頼りの出費」がないかを、確認しておきましょう。
さらに、冬のボーナス期の「支払わねばならないリスト」と「欲しいものリスト」を書き出しておくのがおすすめ。自分や家族にとって、優先順位の高いものがわかれば、そちらに向けてお金を貯めたり、他の出費を先送りにしたりという、家族共通のマネープラン意識が生まれるからです。
ボーナスは、実に“水物”。今年は特に「出たらラッキー」というくらいの気持ちを持って、減額になった場合や出なかった場合に備えておき、少しでも心穏やかに過ごせるようにしておきたいですね。
構成/片岡千晶(編集部)
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