ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載。前回に続き、43歳で7歳年下の彼と結婚した「希望の星」美和さんへのインタビューです。

やっとみつけた7歳年下の運命の人を口説き落とすため、1時間プレゼン!_img0
美和さん(47歳)、和之さん(40歳)。30代は仕事に打ち込み、気づけば10年恋をしていなかった美和さん。アプリでの出会いやスピリチュアルに頼ってもうまく行かずにあきらめたときに、目の前にいた運命の人、和之さんの存在に気づいて自分からアプローチ。43歳で見事ゴールインし、勤めていた会社では退職後も「希望の星」と語り継がれている。


「もう婚活はいいかな」と思い始めた頃、
恋愛スイッチが入る瞬間が……!

 

仕事に明け暮れた30代。40代で「結婚しなきゃ!」と焦って婚活するも、なかなか好きになれる相手はみつからない。こんな感じの独身女性、結構多いんじゃないでしょうか。

美和さんもそんなひとりだったのですが、「運命の人」は、みつけるのをやめた瞬間、みつかったのです。

アパレル関係のコンサルの仕事をしている美和さんには、業務を通じて仲良くしている取引先の社長さんがいました。その会社に新しく入ってきたのが、美和さんより7つ年下の和之さん。

社長のAさんと飲みに行くときに連れて来られて同席したのが知り合った始まりでした。でも出会った瞬間に「ビビビっ(古いですね)」と来たわけではなかったそう。

 

美和さん:そのときは別に何とも思わなかったんです。年下だし、「若い子が入ってきたんだな〜」、くらいにしか。うちの弟が6歳年下のもあって、昔から、年下には興味がなかったんですよね。新たなプロジェクトの立ち上げでものすごく忙しい時期だったし、彼に対する最初の頃の記憶ってそんなになくて。


イケメンの和之さんですが、そのうち仕事でも頻繁にやりとりするようになってからも、美和さんの中では若手を可愛がっている感覚で、恋愛対象として認識はしていなかったのです。

それが、前述の、アプリで出会ったふたりの男性との別れを立て続けに経験し、生まれて初めて実家を出てひとり暮らしを始め、「なんだか毎日楽しいし、もう婚活はいいかな」と思い始めた頃、美和さんの恋愛スイッチが急に入る出来事が起きました。

美和さん:Aさんの会社の社員を含めたメンバーで、8人くらいの会食があったんです。長テーブルのお誕生日席の対面上に座ったのが、私と和之さんでした。


食事の最中にAさんが自分の奥様について、「年上で自分とは違う職種でバリバリ働いている女性だけど、全く違う仕事をしている彼女の存在に支えられている」と話すのを聞いたとき、美和さんは、「なるほど。年下の旦那さんっていうのもアリかもね」と初めて思いました。その瞬間、パッと正面を見たら和之さんの顔が。

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美和さん:あれ? そういえば、この人が居たな、と思ったんです。そうしたらその絶妙なタイミングで、彼の隣りに座っていた女の子が、和之さんに「彼女居るの?」って質問しだして。

「彼女居るの?」→「居ないんです」
「結婚はしたいの?」→「したいです」

美和さんがそのとき彼に対して聞きたかったことをさらっと目の前で聞いてくれた後輩女子、ナイスアシスト!!

アーティストタイプの和之さんは結婚願望があるように見えなかったのが、この会話で結婚願望があることも知り、美和さんの中で急速に和之さんへのロックオンがスタート。

帰りのタクシーの中でその女の子に「和之くんってどう思う?」と聞いたところ、「かっこいいしデザインも素敵だし、すごくいいと思います」と言われたこともあって、その日から意識するようになったというから、何が恋のきっかけになるかわかりませんよね。
 

「自分から行くしかない!」と思った
 

美和さんの恋心は、仕事仲間でもある里佳子さんに即見破られ、世話焼きの里佳子さんが美和さんの自宅でのご飯会を企画し、和之さんも参加。

美和さん:そのときのグループLINEから、徐々にふたりでLINEをやりとりするようになり、うちでご飯を食べるようになったんです。


私は気になっていることを聞いてみました。

さかい:この年齢になると、それくらい年下の男性に対しては、「こっちから行くのがおこがましいかな」と遠慮してしまいがちな人も多いと思うんです。私も向こうから来ない限り、こちらからはアプローチを控えてしまうのですが、おふたりはどちらから誘ったんですか?

美和さん:なんとなくお互い、LINEで近況を話すようになったら、ふたりとも美術館や旅行が好きという共通点があることがわかって、自然に「今度一緒に行きましょう」という流れになりました。だけど、逆ですよ、さかいさん! これだけ年齢差があると、仕事上私は先輩だし、彼から来ることは絶対にないと思ったので「自分から行くしかない!」と思いました。


それまで2回も美和さんの家でご飯を食べていながら、全く男女の雰囲気にはならなかったふたり。

さかい:おうちでふたりでご飯って、相当親密じゃないとなかなかできないと思うんですけど、そこまで持って行けて、なぜ男女の関係にならなかったんですか?

美和さん:当時私は一人暮らしを始めたばかりで、家に人を呼んでご飯を食べるのにハマってたんです。彼とご飯しようってなったときも、「食べに行く? それともうちに来る?」と聞いたら、「家がいい」って言うから。家に来る時点で、たぶん心は開いてくれてたとは思うんですが、いかんせんずっと敬語だから、好意があるのかどうかがわかりづらかったんです。だから余計に、「私から行くしかないな」と。


美和さんがお酒を飲まないこともあり、里佳子さんから「お願いだからワインを買って飲んで」というアドバイスが。たしかに、2回も家で過ごして何も起きないならば、お酒の力を借りるくらいしかなさそうですね(涙)!

3回目のおうちごはんのときは一緒にDVDを観ることになり、ワインは買っておいたものの結局美和さんは飲まずに終了。DVDを観終わったタイミングで、美和さんは和之さんに「好きだし、もっと会いたいと思ってる」と告白しました。勇気ある!!

さかい:彼はどんなリアクションだったんですか!?

美和さん:「え〜〜〜〜〜!?」って、心から驚いてました。ずっと、「そうなのかな、そうじゃないのかな」って悩んでいたらしいです。「何で僕なんですか?」と聞かれて、1時間くらい、彼を好きな理由をプレゼンさせられました(笑)。途中、彼が外にタバコを吸いに行ったりして。

 

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「仕事相手だし断りにくいのかな?」と感じた美和さんは、「なかったことにしてくれても大丈夫だよ」と伝えたそうですが、結局、彼はその日のうちに付き合うことに承諾してくれたのでした。

さかい:彼も美和さんのこと、好きだったんじゃないですか?

美和さん:それが、それだけは何度聞いても教えてくれないんですよ〜。ただ、その頃はLINEも頻繁にしていたし、うちにご飯を食べに来るくらいだから、居心地がいいとは感じてくれてたんじゃないですかね。「ゆっくり付き合いましょう」って言ってくれました。


そのときの和之さんはジェットコースターに乗った気分で、「これはもう、進むしかないな」と覚悟を決めたのだとか。

それまで仕事に一杯一杯で余裕がなかった和之さんが、「そろそろひとりはもう無理だな」と思っていたタイミングで美和さんが告白したことで、そこから2週間後には「結婚を前提に付き合おう」と改めて言われたそう。

やっぱり、結婚って男性のタイミングが大事なんですね!

その後のおふたりの素敵な結婚式のお話は、次回に続きます。
 

イラスト/いとうひでみ
構成/川端里恵(編集部)

 

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