どんなに相手のことを好きでも、相手にその気持ちが伝わるかというと、案外そうでもなかったり……。大ヒット本『ストレスフリー超大全』の著者で、YouTube動画『樺チャンネル』も大人気の精神科医・樺沢紫苑先生に、きちんと気持ちが伝わるコミュニケーション法を教えてもらいました。

 


ふりーじゃさんからの質問

Q. 母のことが好きでたまらない。親離れできないのが自分でも怖く感じます。


40代女性です。14歳頃から母のことが大好きすぎて困っています。母は私が幼い頃から入退院を繰り返していて、ようやく落ち着いてきた頃から、母が可愛くて愛しくて仕方なくなり、会うと抱きしめたくなるくらいです。母はすごく嫌がるのですが、気持ちが抑えきれません。私は18歳から一人暮らしを始めて、母に直接会えるのは年に1回か2回ですが、電話はほぼ毎日。母は自己肯定感が低いようで、私が可愛い、大好きと言っても信じてもらえないのですが、ずーっと言い続けています。なぜこんなに愛しく思うのか。親離れできていないのが怖いくらいです。(40歳)

 

精神科医・樺沢紫苑先生の回答

A. 気遣いや感謝の言葉で、お母さんへの愛を具体的に表してください。


皆さん表立っては言いませんが、親子関係に悩んでいる方は本当に多いものです。とくに同性同士は対立しやすいので、「母親が嫌い」という女性は多いですし、男性は父親と断絶している人も少なくありません。表向きは問題ないように見せていますが、親子関係には多くの人が苦労をしているもの。それだけにふりーじゃさんがお母さんのことを大好きというのは、素晴らしいことで悩む必要などないように思えます。

 

強いて問題点を挙げるとしたら、自分の価値観だけでお母さんを見ていることでしょうか。お母さんを大好きなことは伝わってきましたが、では親孝行をしているのか、お母さんはどう思っているか考えたことがあるのか……。今のふりーじゃさんは愛情を伝えるだけで、やや思いが空回っている印象があります。お母さんに自分の愛情を信じてもらいたいなら、親孝行をもっと形にしたほうが良いでしょう。「大好き」とだけ言っても、その愛情は伝わりにくいもの。言わなくても私の気持ちは分かっているはず、といういわゆる“以心伝心”はアテになりません。だから電話をかけた時も「元気?」と聞いて気遣いを見せたり、感謝の言葉を頻繁に伝えるなど、お母さんを思う気持ちを具体的に表現すると良いと思います。

とくに「ありがとう」というひと言は、言われて嫌な気がする人はまずいません。そして、何百回言ったところでその効果は薄まりませんし、迷惑がられることもありませんから、頻繁に伝えるようにすると良いでしょう。そうすればお母さんも、だんだんと素直にふりーじゃさんの愛情を受け入れられるようになると思いますよ。

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 取材・文/山本奈緒子

 

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